著者
井関 竜也
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.1_267-1_291, 2020 (Released:2021-06-16)
参考文献数
42

中央政府と地方政府の対立を憲法裁判所が規律する制度は広く採用されている。そのような制度の下で、いつ、なぜ、国は地方政府を相手どって訴訟を提起するのだろうか。本論は、国は党派性の異なる州政府に対する選挙戦略、具体的にはネガティブキャンペーンとして訴訟を提起していることを論証する。憲法裁判所の一例であり、国による訴えが認められる割合が低いにもかかわらず、国が州政府に対して多くの訴訟を提起していたイタリア憲法裁判所を事例にタイムシリーズ・クロスセクション重回帰分析を行ったところ、以下の結果が得られた。第一に、国は党派性の異なる州政府に対して、より多くの訴訟を提起している。第二に、党派性の異なる州政府に対する訴訟提起は、訴訟提起が地方選挙に及ぼす影響が大きくなると考えられる州議会選挙直前期に増加している。以上の結果は、たとえ憲法裁判所が中央政府の意向に反した行動をとりうるとしても、憲法裁判所への訴訟提起自体が、中央政府によって選挙戦略として活用されうることを示唆している。

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@ShioriYamao 誤解?何もかも半端な日本でそれをやるとどうなる? 理想と逆方向へ行く。 『なぜ、国は地方政府を相手どって訴訟を提起するのだろうか。本論は、国は党派性の異なる州政府に対する選挙戦略、具体的にはネガティブキャンペーンとして訴訟を提起していることを論証する』 https://t.co/d98nZv2yVE
『中央政府と地方政府の対立を憲法裁判所が規律する制度は広く採用されている』 『なぜ、国は地方政府を相手どって訴訟を提起するのだろうか。本論は、国は党派性の異なる州政府に対する選挙戦略、具体的にはネガティブキャンペーンとして訴訟を提起していることを論証する』 https://t.co/d98nZv2yVE

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