著者
佐藤 正之
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.274-288, 2018-12-25 (Released:2019-01-09)
参考文献数
43

認知機能の脳内機構を探るには,特定の能力のみが選択的に障害された純粋例が有用である.純粋失音楽症(pure amusia)はこれまでに9例報告され,右上/中側頭回の皮質・皮質下が共通して障害されていた.一方,音楽的情動だけが障害された音楽無感症(musical anhedonia)は,筆者による2例も含め,これまでに5例が報告され,右島後部から上側頭回が主に侵されていた.音楽の知覚・認知が障害されたにも拘わらず,音楽的情動が保たれていた症例が存在することから,両者は少なくとも一部は脳内で異なる神経基盤を有すると考えられる.これらの結果は,過去に報告された脳賦活化実験の所見とも一致している.今後も,症例研究と脳賦活化実験のそれぞれの特徴と限界を理解したうえでの検討が求められる.

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https://t.co/uFkftpf40Z https://t.co/6N7dnvdiQU https://t.co/9SfMf2Bh8b ちょっと目通してみる。
オーディオのオカルトって、大脳辺縁系や報酬系による情動作用と聴覚の相乗効果で実現してるのかね 誰か研究してないかな… 趣味ってバイアスや好みありきには違いないから、受容者が動物である以上脳神経生理学無しでは、実際語れない ↓少し近しい文献はあった https://t.co/PSN4pGtRUg
https://t.co/wgB5h7go9V https://t.co/qa3FICryYn https://t.co/DdTmvhIXns ググったら割と簡単に 脳機能と感じ方と音楽についての説明や論文出てきた。
音楽の認知と情動の脳内機構 https://t.co/HMAGu5fyXP おもしろい。あとでじっくり読む https://t.co/z3ejpvEZDp
面白い。 https://t.co/1mwso4kRD6
たまに「何でこの論文開いたんだろ」っていうのがタブに残ってたりする。 今見つけたのがこれ。 https://t.co/SgnUKVAyQY 確かリズム感覚と脳の関係を調べたかったと思うんだけどこれ全然違うしな。 でもこういう、ふと見る他分野の論文が面白かったりする。
音を認識する事と、その音を(文字を読んで意味を理解するが如く)理解する事は、脳内処理は別なんだろうね。 以下の要旨には、音楽の知覚・認知、音楽的情動と色々あるね…。 あ、「図1 音楽の認知モデル」が参考になりそう!
音楽無感症の責任病巣は右上側頭回と島。 音楽無感症と失音楽症は神経基盤が異なる。ただし、情動系への回路が遮断されてはいなかったとしても、失音楽症でも音楽は快刺激にならないよね
J-STAGE Articles - 音楽の認知と情動の脳内機構 https://t.co/KWtjz2Xqs2

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