著者
前田 貴記
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.178-186, 2019-12-25 (Released:2020-01-08)
参考文献数
21

自己意識という主観を実証的に扱うための方法論として,主体感(sense of agency)というアプローチについて紹介する.我々は主体感について実証的に評価するために,「Sense of Agency Task(Keio Method)」を考案し,主として統合失調症をターゲットとして研究を進めてきた.さらに,主体感に直接介入し,主体感の精度を向上させる手法を考案し,統合失調症のみならず,様々な神経疾患・精神疾患における認知リハビリテーションについても試みている.主体感を軸とした,統合失調症の症状論,病態論,治療回復論にわたる一連の研究について紹介したい.主体感というアプローチが,神経心理学において,人間の主観的体験を実証的に扱うための一つのモデルとなればと考えている.

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sense of agencyはあくまで行為の事後における感覚でしかなくて、行為直前と行為の途中の主観的な感覚は測定できないという考察がとても参考になりました。 https://t.co/cWApgorCFI
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