著者
中島 義一
出版者
日本地理教育学会
雑誌
新地理 (ISSN:05598362)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.1-15, 1962-09-25 (Released:2010-02-26)

以上の記述を要約すれば, 次のとおりである。1) 従来の城下町研究が中以上のものに偏っていたことにかんがみ, 一万石級の小城下町研究を企てた。2) 一万石城下町は関西・関東に最も多く, 遠ざかるほど減少する。 関東では東関東に多い。3) 小藩においては新田藩の例のように強力な領国経済は成立しなかった。4) 一万石級の大名の家臣団は80戸ぐらいが標準である。 この程度を顧客としては商工業者の成立はほとんど期待できない。5) そのため, 他の機能を兼ねない一万石級城下町においては, 商工業者は僅少で非都市的な集落であった。 他の機能を兼ねる場合, 相当数の商工業者をもつことがあるが, これは他の機能のために成立したものと考えるべきである。6) 一万石級の城下町では維新後, 士族が離散して農村に還元したものもあるが, 後年まで旧観を留めたものもある。 その差違の要因として東京への近接度, 藩の土着性の強弱, 地元での就業機会の有無を考えた。7) 小規模ながら城下町としての計画的な町割りが行なわれていた。 町屋は武家屋敷と完全に分離している場合と下級士族と混住する場合とがあった。

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