著者
高橋 明彦
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.25-35, 1991-01-10 (Released:2017-08-01)

作者は、作品の原因であり生成の場でありその所有者である、といった特徴を持つだろう。その特徴は、読解のために要請された機能であるにも拘らず、逆に読解の基盤として実体化される。一般的な作家論は、これを素直に受け入れ、その現実に安住感を持ち、作品理解を作者の名の下に統合する。しかし《多田南嶺の浮世草子》は、「八文字屋浮世草子」と「多田南嶺」との間に微妙な緊張関係を強いる。が、作者を実体として捕捉しえない多田南嶺という存在こそ、その時我々の前に純粋な作家論の対象として幻出する。

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あの頃は私も無性に「作者」にこだわっていたが、多田南嶺という特殊事情もあった。日本文学史上最初期の商業出版物としての小説の「代作者」なのだ。 J-STAGE - 浮世草子における作者と代作者 : 多田南嶺論の(不)可能性(小特集:作者・作家) 1991年1月号 https://t.co/iUny6DBzor

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