著者
竹内 栄美子
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.60-71, 1991-08-10 (Released:2017-08-01)

敗戦直後、「批評の人間性」などに見られる中野重治の罵声には両義的な響きがこもっている。「五勺の酒」の校長が「精神のよろめき」と綴らざるを得なかった敗戦日本の有様を中野は嘆き、しかし嘆きのままには済ませずに我が身を駆り立てていった。返事の書かれずにしまった「五勺の酒」は校長の憐愍や悲憤の込められた往信のみのモノローグのようでありながら、自らを鞭打つ声として作家の内部でダイアローグを成立させている。

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竹内栄美子「内なる鞭声 「五勺の酒」「批評の人間性」の中野重治」 https://t.co/diMGvvqgv0

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