- 著者
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十重田 裕一
- 出版者
- 日本文学協会
- 雑誌
- 日本文学 (ISSN:03869903)
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.11, pp.15-26, 1994-11-10 (Released:2017-08-01)
本稿では、川端康成の小説「浅草紅団」(一九二九〜三〇)が同時代の映画状況とどのようにクロスしていたかを、このテクストの構想・創作期間に発表された、映画についての川端の言説や同時代の文学・映画状況を視野に入れながら考察することによって、一九三〇(昭5)年前後の「文学と映画」をめぐる多様な状況の一面を明らかにしようとした。