著者
小林 一彦
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.47, no.7, pp.24-32, 1998-07-10 (Released:2017-08-01)

中世では、貴族社会内部で固定された家職の継承と、それに必要な相伝文書の伝領とが家嫡決定に重要な意味を持っていた。御子左家の場合、為家没後、勅撰集を編むという最も重大な家職は為氏・為世と二条家によって継承され、京極家の為兼も一時期これを担っていた。しかし、相伝文書を伝領した冷泉家だけが、為相・為秀と代を重ねながら勅撰の家として成立するには至らない-その時、為秀にはどのような戦略があったのか。家業継承者であることの証明書としての和歌文書、そのような意義を歌論書に見出すことで、中世の偽書の問題を考えてみたい。

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こないだ ちょっと みた、おがわ・たけお「百人一首の「発見」:頓阿から宗祇へ」で、 https://t.co/M0U3PM6M7L の 「子孫が父祖の口伝をもとに一書を成した時、それをまとめた子孫自身は、おそらく偽書(仮託書)を作ったという意識など持たなかったであろう。相伝文書を新たに整備した、というのが、

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