著者
堀切 実
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.1-10, 2002-10-10 (Released:2017-08-01)

柄谷行人の名著『日本近代文学の起源』によれば、自らの感性の覚醒に基づく客体としての"風景"の発見は、近世以前の文学にはなかったものだという。明治二十年代以前にあったのは、先験的風景を借りた表現のおもしろさであり、「もの」や「自然」を対象として眺める認識主体は確立されていなかったという。本稿では、広く近世の文学作品を見渡しつつ、こうした説への反証をあげ、近世においても、すでに「実景」を見る目が開かれつつあったことを提言する。

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関連論文。堀切実「近世における「風景」の発見:柄谷行人説を糺す」『日本文学』51(10)、2002年10月。特集「近世の視覚-色彩・構図・風景」。https://t.co/OQSnl9lp1S
堀切実「近世における「風景」の発見:柄谷行人説を糺す」『日本文学』51(10)、2002年10月。特集「近世の視覚-色彩・構図・風景」。 https://t.co/OQSnl9lp1S

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