著者
松森 晶子
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.1-17, 2017-01-01 (Released:2017-07-01)
参考文献数
30

首里方言の「iːʧi息, uːʃi臼, wuːki桶」に代表されるように, 北琉球(奄美大島から沖縄本島まで)の各地には, 一部の2音節名詞の語頭音節の母音が長くなっている体系がある。この長音節の出現にアクセントが関与していることは, 服部(1932)によってはじめて指摘された。さらに服部(1979)は, その長音節が日本祖語(本稿の日琉祖語)の段階から存在していたことを論じた。本稿は, この2音節名詞の語頭に見られる長音節は, (日琉祖語ではなく)北琉球祖語の段階であらたに生じた, という仮説を提示する。本稿では, この長音節発生の原因は北琉球祖語のアクセント体系に求められるとし, これは(1)同じ体系内の単独形が似た他の型との区別のため, そして(2)体系内の同系列の3音節名詞と同じ型を内部に実現させるため, という2つの理由により生じた, という仮説を提示する。

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北琉球語の長母音とアクセント https://t.co/EU2WUE4iZA https://t.co/r80BtOIhAd
では、3拍で語頭に強核があるとできなくなる要素とはなんなのぜ?C系列は北琉球諸語で長母音になることから、拍内で上昇/下降する音である可能性が高いと思う https://t.co/yqwazuLsxr
@Segsyoxafu このC系列、首里方言などでは語頭が長音化することが知られている。服部四郎なんかは日琉祖語に残る長音の痕跡ではないかと推測してるんだけど、なぜ高起式では消えたのか理由が説明しづらいhttps://t.co/yqwazuLsxr

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