著者
副田 賢二
出版者
日本近代文学会
雑誌
日本近代文学 (ISSN:05493749)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.219-234, 2019-11-15 (Released:2020-11-15)

「航空」のイメージはWWⅠ以降頻繁に消費され、『サンデー毎日』や文学テクストにも多様に描かれるが、一九二〇年代後半以降そこに「防空」というフレームが浮上する。国民の意識と身体を軍事に関与させる「国民防空」は、地上から隔絶した「航空」を地上との関係空間として新たにイメージ化させる場であった。そこでは「国土」が虚空/地上をめぐる感覚のネットワークにおいて再編制され、「国民」の共同性が立ち上がる。その想像力は、海野十三のテクストや細野雲外『不滅の墳墓』に発動している。更に「防空」空間では、可視/不可視をめぐる想像力が文学と融合する。空襲下を描いたテクストには、「防空」空間の破綻の中を生きる地上的身体の様相が描き出されていた。

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#寝る前に論文読む 99 副田賢二「戦争テクノロジーとしての「防空」空間と文学--虚空/地上を繋ぐ感覚と視線のネットワーク--」 https://t.co/AWHZmvdN83 「「科学技術」という日本語の奇妙さは度々指摘されるが、戦争テクノロジーの領域でも、
PDFあり。 ⇒副田賢二 「戦争テクノロジーとしての「防空」空間と文学――虚空/地上を繋ぐ感覚と視線のネットワーク――」 『日本近代文学』101巻(2019) https://t.co/r8lATrGtMi

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