著者
佐藤 元泰 三井 利幸
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.4, pp.349-354, 1993-04-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
5

ニトラゼパムおよびジアゼパムをガスクβマトグラフ質量分析計(GC1MS)で測定後,得られた複数のフラグメントイオンのイオン強度を用いて,多変量解析法によりそれぞれの定量を行った。定量計算に使用するニトラゼパム,ジアゼパムおよび内部標準物質として用いたドトリア=ンタン(n-Cs2H66)の複数のフラグメントイオンは,数墨化理論第IV類を用いて抽出した。次に,抽出された複数のフラグメントイオンのイオン強度を基にして,クラスター分析,偏差値からのクラスター分析および主成分分析を行い,未知試料がどの既知試料に最も類似しているかを明らかにした。さらに,主成分分析から得られる主成分得点と固有殖を用いて,正確に未知試料の濃度を決定した。計算されたニトラゼパムおよびジアゼパムの濃度は,理論値とほぼ一致し,精度の高い定量が可能となった。

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