著者
島谷 智彦 井上 正規
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.6, pp.979-988, 2013 (Released:2013-06-05)
参考文献数
69

胃食道逆流症(GERD)による睡眠障害の治療には,強力な夜間の胃酸分泌抑制が必要である.プロトンポンプ阻害薬(PPI)はヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2RA)より強力に胃酸分泌を抑制することから,ガイドラインでも第一選択薬として推奨されている.しかしながら,常用量のPPIの1日1回投与では夜間の胃酸分泌抑制が十分でない場合があり,PPIの投与のタイミングを変更する,PPIの種類や投与量を変更する,H2RAや消化管運動機能改善薬を併用する,PPIを1日2回投与するなどの工夫が必要となる.食後3時間以内に就寝しない,就寝時に上半身を30°挙上させる,肥満の解消などの生活習慣の改善も並行して行う.

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