著者
木村 良和 渡辺 隆夫 石束 哲男
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.18, no.7, pp.333-339, 1971-07-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
11

界面活性剤の澱粉老化抑制能について検討するためショ糖脂肪酸エステル(HLB=14, 11, 7),グリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシエチレン(20)ソルビタンステアリン酸エステル(POEMS),プロピレングリコール脂肪酸エステル,ステアリル-2-乳酸塩,デカグリセロールモノラウレートを添加した澱粉ゲルの硬化度,膨潤度,アミログラフおよび離水が生じるに要した日数について検討した。その結果界面活性剤添加ゲルのゲル硬化度は対照ゲルに比しすべて小さな値を示し,本報で用いた界面活性剤には程度の差はあるがすべて老化抑制能のあることが知られた。とくにゲル硬化度が小さく老化抑制能が大きいと認められた界面活性剤はDKエステルA, DKエステルB,POEMS,ステアリル-2-乳酸塩およびデカグリセロールモノラウレートであったが同時にこれらの活性剤を添加したゲルはすべて離水が認められた。さらに膨潤度を検討すると対照ゲルより低い膨潤度を示したゲルはなかったが,とくに老化抑制能が大きいと考えられたのはDKエステルおよびグリセリンオレイン酸エステルであり,7日目までの結果ではソルビタン脂肪エステルの一部にも大きい老化抑制能のあることが認められた。離水を生じたゲルの調製時のアミログラムを検討すると,早期に離水を生じたゲルは糊化開始温度が高く,糊化時最高粘度も低い,さらに粘度曲線に囲まれた面積Sは小さいことなどから,離水を促進した界面活性剤はすべて澱粉との相互作用の強いことが知られた。以上のことより澱粉は界面活性剤と強く複合体を形成し,澱粉中の水和可能の水酸基は分子内水素結合を形成して水和能を失ない離水を起こしやすくなったと考えられる。同時に分子内水素結合の生成は老化の主因となる澱粉分子間水素結合を妨げ,ゲル硬化度の増加や膨潤度の低下を防いだと考えられる。したがって本報で認められた離水は老化に基づくものではなく,主として澱粉界面活性剤複合体形成の結果生じた複合体内水素結合によるものであり,離水が最も低く膨潤度にも高い結果をもたらしたDKエステルAには大きな老化抑制能があると考えられる。

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