著者
真島 理恵 高橋 伸幸
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.177-195, 2005 (Released:2007-07-06)
参考文献数
20
被引用文献数
6

近年、直接互恵性に基づかない利他行動の適応的基盤として、間接互恵性の成立を検討する理論研究が急速に展開している (e.g., Nowak & Sigmund, 1998a, b)。最新の知見である真島・高橋 (in press) は、間接互恵性を成立させる唯一の解決策として、SDISC戦略を提唱している。本研究の理論パートでは、これまでの間接互恵性研究で想定されてきたランダムマッチング状況の概念的問題点を指摘し、より適切な状況と考えられる選択的プレイ状況下で、真島・高橋 (in press) の結論を再検討する進化的シミュレーションを行った。その結果、選択的プレイ状況における間接互恵性の解決策として、SDISCに加え、より概念的に妥当な戦略であるExtra Standing戦略が新たな解決策として示された。また本研究の実証パートでは、理論パートの結果から示された間接互恵性を成立させる選別戦略を実際に人間が採用しているかどうかを検討する質問紙実験の結果を報告する。結果は、間接互恵性の状況において参加者が、(1) Goodへの提供者をGoodとみなし、(2) Badへの提供者をBadとみなし、(3) Goodへの非提供者をBadとみなす、という、理論研究の結論と一貫する評価パターンを備えていたことを示すものであった。

言及状況

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敵の味方は敵と人は見なすもの。古いけど論文があった。 敵が表にいる組織は敵なわけだけどここに書かれてないが敵が身内に居たら敵、つまりスパイ、フレネミーでないか疑う人は普通にいるよね
一例でしかないけど,数理的手法は「理論パート」 で,実験が「実証パート」に入っているようなhttps://t.co/uAM23bqa
「敵の味方は敵? ―間接互恵性における二次情報の効果に対する理論的・実証的検討―」→ http://t.co/UREJP7y1
「敵の味方は敵? ―間接互恵性における二次情報の効果に対する理論的・実証的検討―」→ http://t.co/UREJP7y1
「敵の味方は敵? ―間接互恵性における二次情報の効果に対する理論的・実証的検討―」→ http://t.co/UREJP7y1
「敵の味方は敵? ―間接互恵性における二次情報の効果に対する理論的・実証的検討―」→ http://t.co/UREJP7y1
「敵の味方は敵? ―間接互恵性における二次情報の効果に対する理論的・実証的検討―」→ http://t.co/UREJP7y1
「敵の味方は敵? ―間接互恵性における二次情報の効果に対する理論的・実証的検討―」→ http://t.co/UREJP7y1

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