著者
毛塚 和宏
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.337-354, 2013 (Released:2014-09-01)
参考文献数
17
被引用文献数
1

教育達成の階層間格差を説明する相対リスク回避仮説(Breen and Goldthorpe 1997)の検証は世界各国で行われたが,日本においてはおおむね否定的な結果が得られている.本稿では,日本における受験制度を考慮して,下降回避仮説の代替モデルとして,定員と自分の成績を参照して,進学するか否かを決定するという「単純進学モデル」を構築し,マクロ・ミクロの両面から下降回避仮説と比較・検討を行った.下降回避仮説としては,BreenとGoldthorpeの相対リスク回避モデルと,学歴に対する下降回避を考慮した二重回避モデルを想定した.マクロレベルでは,数理モデルを構築し,各モデルに基づいて大学進学率を導出した.これを経験的データと照らし合わせてモデルの妥当性を検討する.ミクロレベルでは,数理モデルから導出された個人の意思決定に関する命題に対して,JGSS-2000, 2001データを用いて検討を加えた.ミクロレベルの分析には,ロジスティック回帰モデルを用い,モデルを同定するために,一部の変数に対しプロビット変換を施した.結果,下降回避仮説を導入した2つのモデルは現実のデータに対する説明力を欠き,,単純進学モデルが最も妥当性が高いことが示された.特に,相対リスク回避モデルはマクロレベルの検討において棄却された.

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第11回数理社会学会奨励賞は、毛塚和宏さん(東北大学)が受賞しました。おめでとうございます。受賞論文は、「下降回避か, 単純進学か:教育達成の階層間格差における下降回避仮説の検討」『理論と方法』(https://t.co/LIPniuvoMw)です。

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