著者
小林 盾
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.163-176, 2017 (Released:2017-07-19)
参考文献数
39

この講座は,合理的選択理論がどのような理論構造をもち,どのように社会現象へと応用できるのかを考える.もともと合理的選択理論は人びとの行動を「個人が合理的に選択したもの」と仮定する.しかし,現在の合理的選択理論は,狭い利己的個人像に限定されず,ネットワークや文化を考慮するなど,より多様で豊かな人間像を想定するようになってきた.そこで,この講座ではまず合理的選択理論の理論構造を整理し,人的資本,社会関係資本(ソーシャル・キャピタル),文化資本という3つの資本投資メカニズムを取りあげる.つぎに,どうすれば合理的選択理論を用いて,実証的な仮説を立てられるかを考える.合理的選択理論は理論構造が明確で体系的なため,シャープな仮説を検証可能な形で導出できる.そのため,じつはこの理論は計量分析と相性がよい.

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