著者
太郎丸 博
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.2-14, 2018 (Released:2019-02-01)
参考文献数
17

日本において保守的な人ほど学問に対して否定的な態度をとりやすいのかどうかを検討した.保守的な態度の指標として安倍内閣支持,保革自己イメージ,権威主義,排外意識の4つを用い,学問に対する態度の指標として学問効用認知と環境学,医学,経済学,歴史学,憲法学に対する相対的な信頼度を用いた.分析の結果,ある程度は保守的であるほど学問に対して否定的になりやすい傾向が見られたが,一貫したものではなかった.権威主義の直接効果は存在せず,保革自己イメージは,中間が最も学問に否定的で,保守と革新の両方で肯定的になることもあった.排外意識が有意な効果を持ったのは,歴史学と憲法学に対する相対的な信頼度だけであった.安倍内閣支持は医学に対する相対的な信頼度以外では有意な効果を持ったが,学問効用認知をむしろ高めていた.以上から,政治的な態度と学問に対する支持のあいだに関係があることは明らかであるが,それは分野によって異なっているだけでなく,むしろ保守的な人のほうが肯定的な場合もあることがわかった.

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太郎丸博「保守主義者は反学問的なのか:政治と科学に関する意識調査より」 https://t.co/mZu9uGuMyL
@paurooteri 最近読んだこのあたりなんかも色々考えさせられるんですよね… https://t.co/7tTSPSBN26
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J-STAGE Articles - 保守主義者は反学問的なのか: https://t.co/1qP2d64cF1
保守系が排他的と決めつけるリベラル利権はなくさんといかんね。 『排外意識が有意な効果を持ったのは,歴史学と憲法学に対する相対的な信頼度だけであった』 https://t.co/suxodUFcC6
おもろい論文ですね。 保守派であるほど学問に対する信頼感が高い。 反学問の人は到底保守派だとは言えないね https://t.co/E1oKnj3xWd
https://t.co/pInyX3aI9U 太郎丸博「保守主義者は反学問的なのか」会長公演なんですね。面白かった。
QT 保守主義者は反学問的なのか? https://t.co/G6i4CNkX2x
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