著者
三牧 正和
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.7-16, 2018 (Released:2018-01-17)
参考文献数
53
被引用文献数
1

ミトコンドリア病はあらゆる臓器障害を来しうるため臨床像が多彩で, しばしば診断に苦慮する. 病態の中核は呼吸鎖酵素機能異常にあるため, 酵素活性や複合体の量的・質的評価などの生化学的診断が重要だが, 病因に応じた治療や遺伝カウンセリングのためには遺伝子診断が必要となる. 病因遺伝子は核DNAとミトコンドリアDNAの両方に数多く存在するが, 網羅的遺伝子解析などでより多くの患者の診断が可能になってきた. 遺伝子解析を役立てるには, 症状や病型の多様性を知った上で注意深い病歴聴取と診察を行い, 適切な臨床検査とともに生化学や病理学的評価などの特殊検査を駆使して, ミトコンドリア機能異常を証明することが重要である.

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(続き) よって、Alpers病、mtDNA枯渇症、CPEOなどの病気が誘発される。 B: 呼吸鎖酵素複合体に関わる細胞内DNA異常 C: その他の輸送隊、細胞膜形成などに関わる細胞内DNA異常 https://t.co/EetCsiPaVE
ミトコンドリア病の疾患概念とミトコンドリア枯渇症候群というおそらく表現型名の区別 https://t.co/EetCsiPaVE
総説 小児神経科医が知っておくべきミトコンドリア病の多様性 遺伝子解析を役立てるには, 症状や病型の多様性を知った上で注意深い病歴聴取と診察を行い, 適切な臨床検査とともに生化学や病理学的評価などの特殊検査を駆使して, ミトコンドリア機能異常を証明することが重要 https://t.co/ZftJX39QI9

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