著者
湯浅 正太 星野 絵里 戸田 壮一郎 髙梨 潤一
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.418-423, 2018 (Released:2018-12-08)
参考文献数
17

【目的】Levetiracetam (LEV) は副作用が少ないことで知られfosphenytoin (FOS) の代替薬として期待される. 今回我々は, 小児のけいれん発作頓挫後の急性期における発作再発予防としてLEV静注製剤およびFOS静注製剤の有効性と安全性を後方視的に検討したので報告する. 【方法】2012年1月から2017年8月までに, けいれん頓挫後の急性期における発作再発予防目的にLEVまたはFOSを静注投与した4歳から15歳までの入院患者のうち, 除外項目該当例 (頭部画像/肝腎機能/電解質異常を有する, LEV/FOSと同系統薬を内服している, benzodiazepine系薬剤の前投与あり) を除いた群を対象とした. 【結果】対象症例は, 除外項目該当例を除いた計35例 (35機会, LEV 12例, FOS 23例) であった. 年齢は中央値9.8歳, 男児20例, 女児15例. 有効率については, LEV群91.7%, FOS群95.7%と統計的に有意な差を認めなかった (p=1.000). 副作用については, 両群で加療を要するものはなかった. 【結論】LEVはFOSと同様に小児のけいれん発作頓挫後の急性期における発作再発予防としての有効性と安全性が期待できる. 今後前方視的な検討が望まれる.

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