著者
瀧川 諒子 福川 康之
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第85回大会 (ISSN:24337609)
巻号頁・発行日
pp.PO-090, 2021 (Released:2022-03-30)

Trivers-Willard仮説によると,状態のよいときに息子を,状態の悪い時に娘を多く産む母親は,より多く自身の遺伝子を残すことができる。本研究は出産年齢により胎児への栄養供給に性差が見られるかを検討することで,Trivers-Willard仮説を検証することを目的とする。NFHS(National Family Health Survey:インドの世帯を対象とした健康に関する大規模横断調査)より抽出した双子ペア6444名(男性3378名,女性3066名)を対象に,出生体重を従属変数とし,母親が出産適齢期(18歳以上35歳未満)であるか否か,同性双子か異性双子か,児の性別を独立変数とした階層的重回帰分析を行った。母親の出産歴は統制した。その結果,母親が非出産適齢期であるとき,女児ではペアが異性の場合にペアが同性の場合と比べて出生体重が重かった。これは,女児への投資が優先されているとき,同性双子の女児では二人ともが同じだけ栄養を受け取ることになるが,異性双子の女児ではペアの男児よりも優先されて余分に栄養を受け取ることになった結果であることが考えられる。

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