- 著者
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前田 健
- 出版者
- 日本弁理士会
- 雑誌
- 別冊パテント (ISSN:24365858)
- 巻号頁・発行日
- vol.74, no.26, pp.25-47, 2021 (Released:2021-11-18)
ビジネス関連発明は,ビジネス方法やゲームのルールはそれ自体としては保護されず,あくまで,それらを実装するための科学技術としての側面にかぎり,特許保護適格性が認められると解される。したがって,ビジネス関連発明のクレーム中に,実装するための科学技術と認められる部分が全くなければ「発明」該当性を認めるべきではない。また,ビジネス方法やゲームのルールそれ自体の独占を防ぐためには,進歩性要件に大きな役割が期待される。進歩性の判断は,引用発明との相違点のうち,自然法則を利用していない部分に係る相違点は想到できたことを前提として,専ら,その他の自然法則を利用した部分の相違点の容易想到性を判断することにより行うべきである。いったん成立したビジネス関連発明の技術的範囲を限定的に解釈することで適切な保護範囲に限定することは難しいので,特許性判断の役割は大きい。