著者
平野 真理
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.94-106, 2010-11-20 (Released:2011-02-15)
参考文献数
37
被引用文献数
46 59

レジリエンスは誰もが身につけられる精神的回復力であると言われているが,レジリエンスを導く多様な要因の中には後天的に身につけやすいものと,そうでないものがあると考えられる。本研究では,それらの資質的・獲得的な要因を分けて捉えるために,Cloningerの気質–性格理論(TCI)を用いて二次元レジリエンス要因尺度(BRS)を作成することを目的とした。大学生ら246名を対象に調査を行い,TCIとの関連性から選出された項目の探索的因子分析により,資質的レジリエンス要因として「楽観性」「統御力」「社交性」「行動力」,獲得的レジリエンス要因として「問題解決志向」「自己理解」「他者心理の理解」の7因子が見出された。さらに759名へ調査を行い,確認的高次因子分析および既存尺度との関連から,BRSの二次元構造と妥当性が確認された。また,TCIの気質・性格との関連性から,下位尺度の基準関連妥当性が確認された。

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J-STAGE Articles - レジリエンスの資質的要因・獲得的要因の分類の試み https://t.co/Tcx57uQzVp 精神的回復力(レジリエンス)を構成する要因は、誰でも後天的に身に着けることができるのか?という論文 気質(遺伝的)である「損害回避」と関連が強い要因は後天的に身に着けづらいかも? https://t.co/jHarTqz1ZP
レジリエンスのうち後天的に獲得すると言われる獲得的レジリエンスは各国の教育制度によっても大きく違う様相。国際ジャーナルをそのまま日本人に適用しても合わないかも。 https://t.co/0W3nDMqpNJ
過大侵襲の手術前患者を担当することが多いが、「楽観性」や「行動力」は術後に大事と思った経験が多々あるな. https://t.co/qdE0RQpQjP
二次元レジリエンス要因尺度(平野,2011) 因子:資質的レジリエンス(楽観性・統御力・社交性・行動力),獲得的レジリエンス(問題解決志向・自己理解・他者心理の理解)各3項目 評定:5件法 https://t.co/Bk0pjCONFC

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