著者
久保 沙織 豊田 秀樹
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.93-107, 2013-11-30 (Released:2013-12-04)
参考文献数
23

多特性多方法行列を扱う確認的因子分析モデルにおいて,CT-CMモデルは信頼性と収束的・弁別的妥当性の解釈が一通りに定まるというメリットがあるが,識別されない場合が多い。一方で,CT-C (M-1)モデル(Eid, 2000)は,識別は保証されるものの,基準となる方法の選択に依存して,同一データに対して信頼性と妥当性の解釈が変わってしまうという欠点がある。そこで本論文では,CT-CMモデルを基に,方法因子の因子得点の和が0という制約(Kenny & Kashy, 1992)を導入することで,基準となる方法を決める必要がなく,信頼性や妥当性の解釈が一通りに定まるモデルを提案する。主要文献より引用した12の相関行列に3種類のモデルを適用した結果と,シミュレーション研究の結果から,提案モデルは信頼性と妥当性に関する解釈が一通りに定まり,識別の可能性も高く,有望なモデルであることが示唆された。

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「多特性多方法行列に対する確認的因子分析モデルにおいて信頼性および妥当性の解釈を一通りに定める方法 —方法因子の因子得点の和が0になるという制約の下で」パーソナリティ研究 Vol. 22 (2013) No. 2 p. 93-107 https://t.co/7psYp6URhi

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