著者
十文字 雄一 対馬 栄輝 小林 秀男 津田 謙矢
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11702, (Released:2020-05-28)
参考文献数
24
被引用文献数
3

【目的】投球によって肩の疼痛(以下,肩痛)を有する野球選手は肩関節可動域や肩関節外旋筋力が低下しているが,これらは野球選手における一般的な特徴としても知られており,肩痛の発生に対しての因果関係は明らかになっていない。本研究の目的は,これらの因子が肩痛の発生に影響するかを前向き研究により検討することである。【方法】高校野球部員を対象とし,オフシーズンに肩関節機能評価とポジション等の聴取を行い,シーズンインから2 ヵ月間を観察期間とした。その後,肩痛発生の有無に対して各評価項目が影響するかを解析した。【結果】肩痛を発症した者は84 名中24 名で,多重ロジスティック回帰分析の結果,肩回旋筋力比,ポジションが有意な変数として抽出された。【結論】肩痛発生に肩回旋筋力比の低下が有意に影響した。投球障害の予防には,ストレッチの他,回旋筋力のバランスにも考慮する必要があると考える。

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肩関節 外旋筋力/内旋筋力の評価はそれほどなされていない印象 引用 ☆肩痛発症群に,外旋筋力体重比の有意な低下を認めた ☆投球動作時の加速期において,肩後方構成体には大きな負荷がかかるため外旋筋力が低下すると考えられている 詳細⇒ https://t.co/TssDzynWL4 https://t.co/MIujNZ8LVg
高校野球選手における肩痛発症にかかわる因子の縦断的検討 前向き調査を行い肩痛発生要因について、肩痛あり群となし群で各機能を比較し、多重ロジスティック回帰分析を行った。 2群間で有意差があったのは、外旋筋力、E/I比、僧帽筋下部筋力であった。 https://t.co/C5qBNMNlTC

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