著者
岡野 由利
出版者
日本化粧品技術者会
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.91-97, 2016-06-20 (Released:2017-03-21)
参考文献数
28
被引用文献数
1

スキンケア化粧品の基本的な機能は皮膚の保湿である。皮膚の乾燥が肌荒れだけではなく,皮膚の老化の一因となっていることは,われわれは経験的に知っている。角層には水分を保つ機構が存在するが,その詳細が解明され始めたのは,20世紀の半ばになってからであった。市場の化粧品のコンセプトはこの皮膚科学の発展を商品に応用したものが多い。そのため,過去においては,天然保湿因子(NMF)と皮脂を模して,水分と保湿剤,油脂を含有する製剤がスキンケア商品として用いられてきた。皮膚科学の発展に伴い,セラミド,NMFを配合した製品,顆粒層に存在するタイトジャンクションに注目した素材を配合した製品,角層細胞の成熟に注目した製品が開発され,上市されてきた。さらに,過去には死んで剥がれ落ちると考えられていた角層が,スキンケア行為によって濡れてゆっくりと乾くことにより,バリア機能が向上し,皮膚の状態が健全に保たれることも報告された。本稿では,保湿にかかわる皮膚科学の進歩と関連したスキンケアコンセプトの変化について歴史的な変化も含めて述べる。

言及状況

外部データベース (DOI)

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[インナーケア] 2016年研究発表 角質を保湿することでバリア機能がアップする

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化粧水の重要性について、角質層の表面を潤すことに意味はあるのか?と思ってたんですが 化粧水で肌の状態は良くなるというのが、この3日感受けてたメイク講座の先生の経験上の結論だそうで これ思い出しました。 肌を濡らしてゆっくり乾かすことで肌状態が整う話。 https://t.co/7dTwY0KYYn
@hikaricosme11 手元に持ってたので勝手に援護射撃します、、、笑 https://t.co/tTRJhyhfKz https://t.co/ArdCVN7d9V
1次情報は転がってないですが、概要はここらに。 ケラチン繊維間に入った水はゆーっくりと時間をかけて、角層の透明感を高めていき、バリア機能を改善しますhttps://t.co/4eJzyXi5F5 https://t.co/zAHiqxteo4
jstageで肌の保湿に関する研究発見および市場製品の動向に関してまとめた記事があって勉強になった。https://t.co/Qg0U1AEfmi

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