著者
櫻井 秀彦
出版者
生活経済学会
雑誌
生活経済学研究 (ISSN:13417347)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.1-14, 2019 (Released:2019-09-30)
参考文献数
45

わが国では、近年特に医薬分業制度に対する様々な指摘がなされている。しかし、分業制度の利用者である患者の評価を基にこの制度について詳しく検証した報告は見受けられない。本研究では、Web調査にて処方医療機関と薬局の評価と継続利用意志、並びに服薬継続意志と分業制度の評価について測定し、これらの関連性を探った。 外来の慢性疾患患者1,952人のデータでサービス評価要素、総合満足、継続意志と分業評価に順に影響する構造方程式モデルを検討した。 結果は、薬局の方が医療機関と比べて過程品質要素(プロセス評価)からの総合満足への影響度が高かった。総合満足間では薬局から医療機関への影響のみ有意であった。また、継続利用意志では医療機関と薬局の双方向の影響が有意であった。更に、服薬継続意志には医療機関、薬局の順で総合満足が影響したが、影響度は低かった。分業評価には医療機関総合満足度より薬局総合満足の影響度が極めて高かった。 以上、薬局が処方医療機関の評価を補完し、継続意志や分業評価では双方が影響するなど、患者には潜在的に分業制度の機能が認識されていることが示された。分業評価には薬局評価の過程品質も強く関連することが示された。しかし、服薬継続意志については影響度の高い変数がないことから、患者由来の要因等、他の影響要因を探る必要性も示唆された。

言及状況

外部データベース (DOI)

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薬局総合満足もある程度、病院の総合満足度へ影響することが示唆された一方、医薬分業のサービス要素やサービス提供組織の評価を高めても、アドヒアランスには大きな影響を与えない 【生活経済学研究】 医薬分業制度における知覚サービス品質の… https://t.co/2UFo6zsaaE

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