著者
伊東 宏樹
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.361-374, 2016 (Released:2016-08-24)
参考文献数
25
被引用文献数
6

状態空間モデルを使用した統計解析をおこなうためのソフトウェア環境として、dlm・KFAS・BUGS言語・Stanを紹介する。dlmおよびKFASはRパッケージであり、比較的簡単に利用可能である。dlmは誤差分布に正規分布のみ利用可能であるが、KFASではポアソン分布なども利用可能である。一方、パラメーター推定に関してはdlmでは最尤推定のほか、マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)によるベイズ推定が可能である。BUGS言語は、MCMCによるベイズ推定のためのモデリング言語であり、実行処理系としてはWinBUGS、OpenBUGS、JAGSがある。柔軟なモデリングが可能であり、状態空間モデルを記述することもできる。Stanは比較的新しいソフトウェアであるが、ハミルトニアンモンテカルロ法を使ってベイズ推定をおこなえる。Stanにはgaussian_dlm_obsという分布が用意されており、この分布を使用して、誤差分布が正規分布の状態空間モデルのパラメーター推定がおこなえる。また、gaussian_dlm_obs分布を使用せずに、状態空間モデルを記述することも可能である。複雑なモデルのパラメーター推定は、BUGS言語またはStanによりベイズ推定でおこなうことになるだろうが、dlmやKFASで最尤推定が可能なモデルであればそれらを使用する方が実用的であろう。

言及状況

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[R][状態空間モデル] 状態空間モデルの実行方法と実行環境の比較

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簡単なコード付きで dlm/KFAS/BUGS/Stan による状態空間モデルの説明と実装。時系列データ解析の復習で読んでみた。 状態空間モデルの実行方法と実行環境の比較 https://t.co/IMa5nBh9th
状態空間モデルの実行方法と実行環境の比較 https://t.co/tmLHIdreC2 これって論文にもなっていたのか、、ありがたし
5 5 https://t.co/RFDEYdC9Pl
4 4 https://t.co/Vx6qvgYaqs
3 3 https://t.co/3iufTGpBTu
論文が公開されました。2014年の生態学会での発表を元にしたものです。 状態空間モデルの実行方法と実行環境の比較. 日本生態学会誌 66: 361–374. https://t.co/9VNs713lpY

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