- 著者
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竹 瀟瀟
田村 照子
小柴 朋子
- 出版者
- 一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
- 雑誌
- 繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.5, pp.420-430, 2017-05-25 (Released:2017-05-25)
- 参考文献数
- 8
振動抑制に配慮したブラの設計を目的として,乳房サイズの異なる被験者6 名の乳房表面展開パターンに基づき,同一素材・構造で,アンダーバスト詰め寸法の異なる3 種の実験用ブラを製作した.これを用いて,ブラ非着用時およびブラ着用時の,歩行,走行,ジャンプ運動中の乳房振動を,ハイスピードカメラで撮影し三次元動作解析を行った.結果は以下のとおりである.(1)アンダーバストの衣服圧は詰め寸法が大きくなるほど大となり側面部で高い.(2)ジャンプ時では上下方向の振幅と加速度においてブラ着用による有意な振動抑制効果があったが,詰め寸法間には有意差がなかった.各運動の上下方向の振幅・加速度ともに,乳房サイズの大きいL 群は中程度のM 群より有意に高かった.(3)ブラ着用時,走行・ジャンプ時上下方向の加速度は乳房サイズと正の相関を示すが,左右方向の加速度は身体運動と有意な相関を示した.(4)いずれの運動においても乳房とブラはほぼ同様な軌跡で振動し,ブラと乳房のズレは僅少であり詰め寸法の影響も小さかった.