著者
伊藤 理史
出版者
東北社会学研究会
雑誌
社会学研究 (ISSN:05597099)
巻号頁・発行日
vol.101, pp.61-83, 2018-03-28 (Released:2021-12-01)
参考文献数
38

本稿の目的は、個人レベルの失業と地域レベルの失業率の効果を理論的・実証的に区別した上で、両者が投票参加にそれぞれどのような影響を与えるのか、検討することである。失業と政治参加の関係については、欧米諸国における政治社会学の古典的な問題関心であると同時に、二〇〇〇年代後半に生じた世界規模の景気後退以後、再び注目を集め実証研究が蓄積されている。このような問題関心は、政治参加の平等性に関するものとして理解できるが、従来日本は政治参加の不平等が少ない国として認識されてきたこともあって、十分に検討されてこなかった。欧米諸国を対象とした近年の投票参加の実証研究によると、個人レベルの失業と地域レベルの失業率の効果は、それぞれ異なることが示唆されているため、両者を区別した上で議論・分析を行う。 第一回SSP調査から得られたデータに対してマルチレベル順序ロジスティック回帰分析を行った結果、次の二点が明らかになった。(一)個人レベルの失業には、投票参加からの退出をもたらす効果があり、失業者の「声」は政治へ反映されにくい傾向にある。(二)地域レベルの失業率には、その地域に居住する人々に対して、失業を社会問題として認知させ政治に動員させる効果がないため、当事(失業)者以外からも、失業やそれにともなう貧困の是正を求める「声」は上がらない傾向にある。以上の結果より、現代日本においても失業と投票参加の間には、一定の政治参加の不平等が存在することが確認された。

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https://t.co/BiKNLvv4eP これ見てわかる通り非正規と失業者は投票率低いのよ。 だから立憲も共産党も労働問題を軽視して過激な運動家をあてにするわけ。 https://t.co/LXRkiUR1JY

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