著者
大城 直雅 富川 拓海 國吉 杏子 木村 圭介 小島 尚 安元 健 朝倉 宏
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.8-13, 2021-02-25 (Released:2021-03-04)
参考文献数
18
被引用文献数
9

世界最大規模の自然毒食中毒シガテラの未然防止のために,地方自治体では可能性のある魚種を指定して販売自粛を指導している.水産卸売市場で販売が自粛された魚類7種18試料についてLC-MS/MSによりシガトキシン類(CTXs)を分析した結果,5試料(バラフエダイ4試料およびバラハタ1試料)からCTXsが検出された.含量の高かった2試料(No. 5: 0.348 μg/kg, No. 8: 0.362 μg/kg)は200 g程度の摂食で発症すると推定され,販売自粛がCFPを未然に防止したことが示唆された.産地不明のバラフエダイ(1試料)からはCTX1B系列(CTX1B, 52-epi-54-deoxyCTX1Bおよび54-deoxyCTX1B)のみが検出され,沖縄・奄美産バラフエダイと組成が類似していることから沖縄・奄美海域で漁獲された可能性が示唆される.一方,和歌山産バラフエダイ(2試料)からはCTX1B系列とCTX3C系列(2,3-dihydroxyCTX3C, 2,3,51-tri­hydroxyCTX3C, 2-hydroxyCTX3C)の両方が検出された.なお,本州沿岸産魚類からCTXsを検出したのは初めての例である.

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