著者
高橋 万葉 関根 嘉香 古川 英伸 浅井 さとみ 宮地 勇人
出版者
一般社団法人 室内環境学会
雑誌
室内環境 (ISSN:18820395)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.15-22, 2013 (Released:2013-06-01)
参考文献数
20
被引用文献数
3 2

室内空気中のアセトアルデヒドの発生源および発生機構については不明な点が多い。本研究では,これまで考慮されてこなかったヒト皮膚表面から放散するアセトアルデヒドの室内空気中濃度に及ぼす影響について,パッシブ・フラックス・サンプラー法による健常人ボランティアを対象とした放散フラックスの実測に基づき検討した。その結果,ヒト皮膚由来のアセトアルデヒドの放散速度は,飲酒後の呼気に由来するアセトアルデヒドの放散速度よりも大きく,呼気よりも重要な発生源であることがわかった。居室の在室者1名を想定した場合,皮膚由来のアセトアルデヒドは,室内濃度指針値レベル(48 μg m-3)に対しては0.87~2.3 %の寄与であったが,飲酒を伴う場合は居室の臭気源になる可能性が示唆された。在室者が複数いる場合には,皮膚からの放散速度は無視できないほど大きな寄与を示す可能性があり,皮膚ガスは新たに着目すべき発生源の一つとなる可能性が示唆された。

言及状況

外部データベース (DOI)

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@mskaidan あれは、人間が体内で生成しているアセトアルデヒドが揮発毒となって周囲に広がるからです。アセトアルデヒドを分解し難い受け手は、その毒成分を体内に取り入れてしまい、同様の事が起きます。勿論、直接とは量などは全く違うけど。 https://t.co/AMyZi7Pxf7 こちらも参考になるかと。
@lawkus 皮膚からアセトアルデヒドが出るらしいので、ヘッドレストあたりで検知すれば結構精度出そうな気がします https://t.co/iX2INN9MUv
平成26年室内環境学会学術大会の要旨いくつかコピーしてきたのでざっと読んでみた。https://t.co/RzUfUnSZMU この中の東海大の方の要旨など。それから、https://t.co/ezr02teNTT この文献のコピーも。

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