著者
山村 幸江
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.91-98, 2016-03-31 (Released:2016-06-23)
参考文献数
20
被引用文献数
1

ドライマウス患者の多くは高齢者で, 唾液腺の加齢に服薬と咀嚼機能低下等が複合して関与する. 亜鉛欠乏も味覚障害のみならず口内痛や唾液量減少にも関わる. ドライマウスへの対応としてガムをかむなどの唾液分泌を刺激する習慣付けは有用である. 歯科的治療も咀嚼機能保持および齲歯と歯周病の予防・治療のために重要である. 内服薬では M3 ムスカリン作動薬は唾液腺機能が残存する場合は有効だが, 唾液腺以外のムスカリン受容体も刺激するため副作用による服薬中断例が少なくない. 副作用軽減の工夫として服用量を徐々に増やす漸増法, 同容量を多数回に分ける分割投与, 水溶させた薬剤をうがいに用いるリンス法, 飲料に混合する服用法がある.

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シェーグレン症候群の口腔乾燥に使うサリグレンとサラジェンって何が違うんだろ?って思ったら副作用の種類と頻度が違うみたい。副作用軽減の工夫としては薬剤の変更や併用薬の使用、投与量漸増、水溶させてうがいに用いるリンス法など。 https://t.co/T4EcczA3IR https://t.co/wSBM3zxJAG
ドライマウスの患者さんに「友人がサラジェンを溶かしてうがいしなさいと薬剤師に言われて実践している。してもいい?」と言われました。正直、うがいの効果のデータも知らず、しかも医師の指示もないので、許可はしませんでした。でも、きちんとデータはあるのですね。https://t.co/mk3HPXClcH

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