著者
大野 芳裕
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.163-172, 2021 (Released:2022-06-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

慢性上咽頭炎は,後鼻漏・咽喉頭違和感・慢性咳嗽・頭痛・めまい・肩こりなど不定な症状を呈するため,本疾患に着目しないと見逃される可能性がある.慢性上咽頭炎に対しては上咽頭粘膜を塩化亜鉛溶液で擦過する,上咽頭擦過療法(Epipharyngeal AbrasiveTherapy:EAT)が有効とされている.そこで今回慢性上咽頭炎症例92名に対して,1%塩化亜鉛溶液によるEATを施行した.患者には原則として生理食塩水による上咽頭洗浄を併用した.治療前後に鼻咽腔内視鏡所見の重症度分類と自覚症状のアンケートならびにNumerical Rating Scale(NRS)を施行し,局所所見および自覚症状の治療効果を検討した.局所所見の重症度は,上咽頭粘膜の発赤・腫脹を4段階でスコア化し,後鼻漏・痂疲を認める場合に加点した.自覚症状は,治療前後に主訴を含む各症状(後鼻漏,咽喉頭違和感,咽頭痛など)のアンケート(4段階)と全身状態のNRS(10段階)による評価を行い統計学的に解析した.改善率は局所所見72.8%,主訴88.0%,NRS 79.3%で,局所所見と主訴の改善との間に有意な関連を認めた.慢性上咽頭炎に対するEATの有効性が示唆された.

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あとは、慢性上咽頭炎による頭痛… https://t.co/bGGAMpkT1f
その組織が、上咽頭炎の評価項目として、患者さんの症状を主項目、内視鏡所見を副項目とした新基準を推奨し始めます。 これについて、2021年に大野先生が報告した基準との比較をした報告が、2021年にされています。 https://t.co/aVKhM0gTf4
その後、2021年に、大野先生から、内視鏡による腫脹と発赤に加え、後鼻漏や痂皮の付着などをNBIで評価することによる、上咽頭炎の重症度評価基準が提唱されました。 https://t.co/aVKhM0gTf4
その後2021年に、大野先生から内視鏡所見と上咽頭炎の重症度判定の報告がされています。 ここでは、田中先生の報告でのNBI所見も評価項目に入れています。 https://t.co/6SSNciD73m

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