著者
滝川 一
出版者
日本胆道学会
雑誌
胆道 (ISSN:09140077)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.23-28, 2013 (Released:2013-08-05)
参考文献数
18

要旨:胆汁酸は,胆汁中に最も多く含まれる有機成分であり,肝でコレステロールより生合成される.胆汁生成に重要な物質であるとともに,ミセル形成能により胆汁中でのコレステロールの溶存や小腸内での脂質の消化,吸収にも重要な役割を果たす.最近の研究により,胆汁酸の代謝や輸送とその制御機構が徐々に明らかとなってきた.UDCAの作用機序の1つとして近年,重炭酸の分泌を増やすbiliary bicarbonate umbrellaの考えが提唱された.胆汁うっ滞のかゆみは胆汁酸やオピオイドでなく,リゾレシチンから生成されるlysophosphatidic acidにより起こると考えられるようになってきた.FXRは胆汁酸をリガンドとする核内受容体であり,TGR5は胆汁酸をリガンドとするG蛋白共調の細胞膜受容体である.近年,これらを介して,胆汁酸が脂質,糖質およびエネルギー代謝に重要な役割を持つことが報告されており,これらの胆汁酸受容体をターゲットとした各種疾患の治療薬の開発が行われている.

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