著者
山田 実
出版者
日本転倒予防学会
雑誌
日本転倒予防学会誌 (ISSN:21885702)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.5-9, 2014-06-10 (Released:2015-05-13)
参考文献数
22
被引用文献数
1

4 人に1 人が高齢者,その高齢者の5 人に1 人が要介護認定者という時代になってきた。このような高齢者の虚弱形成の要因の一つに転倒が挙げられる。転倒には要介護に直結するような重篤な外傷を伴うものと,そうでないものがある。転倒のほとんどは後者のものであるが,転倒を機に活動量が減少し虚弱を加速させることが知られている。高齢者の1 年間の転倒発生率は約30 %といわれており,その主たる要因の一つに筋機能の低下(≒サルコペニア)が挙げられている。サルコペニアになることによって,実に2 ~ 3 倍程度転倒発生率が高まることも分かっている。このサルコペニアの有症率は地域在住高齢者の20 %程度であり,当然のことながら加齢とともにその割合は増加することになる。サルコペニアは筋代謝異常と捉えることも可能であり,加齢に伴って骨格筋の同化作用が減弱し,異化作用が亢進する。そのため,サルコペニア対策としては,同化作用を促進させ,異化作用を抑制させることが重要となる。運動には骨格筋の同化作用を促進させ,異化作用を抑制するような効果があり,栄養は運動の役割をサポートするような機能がある。そのため,高齢者に対しては積極的な運動と十分な栄養補給を推奨しながら,サルコペニアや転倒を予防していく必要がある。

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「肥大化した内臓脂肪からは骨格筋の異化作用があるインターロイキン6や腫瘍壊死因子などの炎症性サイトカインを分泌する」 「内臓脂肪は40〜75歳までで男性43%.女性は65%増加する」 内臓脂肪増加も筋力低下に繋がる。 https://t.co/XVcmgxlZjv
https://t.co/0Iblj9QuAK サルコペニアになることで転倒2〜3倍増える
山田実先生の「高齢者のサルコペニアと転倒」に関する日本語のレビュー論文です。全文読めます。サルコペニアになることによって,実に 2 ~ 3 倍程度転倒発生率が高まることも分かっています。 https://t.co/q3zjLg52Em

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