著者
植 遥一朗 櫛引 素夫
出版者
東北地理学会
雑誌
季刊地理学 (ISSN:09167889)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.164-177, 2021 (Released:2022-01-14)
参考文献数
11
被引用文献数
1

本稿は,東日本大震災の発生当時,新幹線と高速道路という高速交通機関同士にみられた「補完関係」を明らかにするとともに,復旧した新幹線と高速道路が,復興期にどのような動向を示したのか検討することを目的とする。東日本大震災では,阪神・淡路大震災や中越地震と比べて非常に広い地域が被災した。東北新幹線は被災の規模にしては早く復旧したものの,全線運転再開に49日間を要し,通常ダイヤへの復旧には半年かかった。高速道路は震災発生直後,「命の道」としての役割を果たし,「くしの歯作戦」により発災1日後には南北軸の復旧がなされた。続く1週間程度の期間,高速道路を利用した高速バス,航空機が新幹線を代替する「補完関係」が見られた。復興期においては,東北新幹線は輸送人員が増加し,また,高速道路は震災を契機として全国的に整備が加速して,被災地の新幹線と高速道路は「復興のシンボル」とみなされた。ただ,新幹線と高速道路が被災地の復興に寄与した詳細なプロセスについては今後,あらためて検討していく必要がある。

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高速道路ができると無条件に地域が発展するとか維持できるとか、そんなことはなくて、ときには人口・都市機能が流出するマイナスの効果を与えることもある。 3.11のたびに、思い返すこと。 共著論文→https://t.co/g24jj3f6o6 日経新聞記事→https://t.co/U5q0EP04y7

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