著者
有川 宏幸
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.265-275, 2009-11-30 (Released:2017-07-28)

応用行動分析学に基づく自閉症児への介入法は、有効性が認められてはいたものの、米国心理学会臨床心理学部会が示した「十分に確立された介入法」としての基準を満たしていなかった。しかし、それに準じる介入法として注目されていたのがUCLA早期自閉症プロジェクト(UCLA YAP)であった。Lovaas(1987)は、UCLA YAPを4歳未満の自閉症児に週40時間、2〜3年にわたり行ったところ、47%が標準範囲のIQに達したことを報告した。この結果は前例のないものであったことから、多くの研究者に精査され、自閉症からの「回復」という表現の問題や、無作為割付けの有無といった実験手続き上の問題などについて批判を浴びることとなった。そのため追試・再現研究は、可視的に、科学的な厳密さをもって実施されており、こうした批判への反証データも示されるようになっている。しかしながら、この成果については依然として不明な点も多く、「証拠」(evidence)に基づく継続的議論が必要であろう。

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有川 宏幸, 米国における自閉症児への早期高密度行動介入に関する研究動向, 特殊教育学研究, 2009, 47 巻, 4 号, p. 265-275. https://t.co/q19IMbhY9g
@ha_kun_pp そうです。自分たちに都合のよいことだけ言って保護者を取り込むのはサービス提供者として問題だと思います。 興味がありましたら、こちらもよろしければご覧ください。https://t.co/NN1X1vcOdV

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