著者
入江 良平
出版者
日本トランスパーソナル心理学/精神医学会
雑誌
トランスパーソナル心理学/精神医学 (ISSN:13454501)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.37-43, 2008 (Released:2019-10-12)
参考文献数
13

ユング『自伝』末尾で自分は「障壁の背後の過程」をある程度 知覚すると述べた。本論文は、この「知覚」が彼の心理学的な 仕事において本質的な役割を果たしていることを示そうとする。 メルロー=ポンティが明らかにしたように、知覚は根源的臆見 (Urdoxa)に根差しており、ユングの言葉は、無意識過程が彼に とってある程度実在として現れていたことを示唆している。彼の 仕事は、従来想定されていたように、臨床データと秘教的文献か ら無意識の知的モデルを構成する試みではなく、壁の背後に知覚 されるこの実在を同化しようとする努力である。このことが研究 者たちを困惑させてきた彼の仕事の奇妙な諸特質を理解させてく れる。そしてユングの仕事が、近代的世界観の閉塞を打開する独 自の可能性を持つ理由もそこにある。

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「ユングほど文章力の欠如(inability to write)によってだめになっている創造的人物を私は知らない」 https://t.co/3gCpRQljZ6
https://t.co/5uwHIZSNOf ユング受けつなくてこれ読んだ。まあ、象徴的表現が現実を問題なく表してればそれでいいんだろうと思う。 でも、近代的臆見のエポケーといいつつ、象徴表現による構造理解もまたエポケーを必要とするんじゃないかしら。例えば、科学でも宗教でもそれは同じだと思う。
@DJ_GO_YAMASAKI それ、集合的無意識ってのが下敷きになってると思います〜 集合的無意識の不思議 https://t.co/tsTQ4T3RwI ユングにおける「無意識の知覚」について https://t.co/WnSyAohAqC

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