著者
淺海 真弓 初田 隆 磯村 知賢
出版者
大学美術教育学会
雑誌
美術教育学研究 (ISSN:24332038)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.17-24, 2016 (Released:2017-03-31)
参考文献数
9

本研究では,図式期における特徴的な表現形式である「基底線」に着目し,描画と立体表現の比較実験を通して考察した。立体表現における基底線意識の有無を確認するとともに,造形(描画・立体表現)発達上の「基底線」の意味や意義を改めて検討することが目的である。なお,山の稜線に対して垂直方向に木を描くといった「基底線に依存した表現」を手掛かりに,実験結果の分析を行った。結果,立体表現においても基底線もしくは「基底線に準じる規準系」が意識されていることが確認できた。特に図式期の立体表現では,立体を立面図的に捉えることで空間を秩序づけていると考えられる。また,基底線に依存した表現の多くは,原初的な方向判断(既存の形態に対して新たな形態を描き加えるとき,最も明瞭に対立する方向へ向かう)が基底線を基準に発現した結果である可能性が高い。

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