- 著者
-
里見 龍樹
- 出版者
- 現代文化人類学会
- 雑誌
- 文化人類学研究 (ISSN:1346132X)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, pp.1-8, 2021 (Released:2022-01-29)
- 参考文献数
- 22
本特集は、「これまで『自然』と呼ばれてきたもの」がさまざまなかたちで取り上げられている現代の人類学において、では、そのような「自然」を記述する民族誌はいかなるかたちをとりうるのか、という方法論的な問題を提起するものである。2000年代後半に登場したいわゆる存在論的転回は、「自然/文化」という近代的な二分法、および狭義の「自然」概念を批判することによって、「広義の自然」と呼ぶべき人類学的主題を明確化した。本特集では、この主題を「いかに民族誌を書くか」という方法論的な問いと結び付けることで、現代における一つの「外の思考」としての人類学/民族誌がとりうるかたちを探究する。