著者
栗田 廣美
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.52-60, 1985-07-10

明治四十三年に書かれた『叛逆者』は、クロポトキンの『相互扶助論』(MutualAid)を密かになぞりつつ、国家主義的<現代文明>への痛烈な批判を内在させた、有島の大逆事件への回答だと言える。それは、作家的出発に際しての<芸術宣言>でもあるが、その論理は、少年時代以来、有島の内部に育ちつづけた歴史意識-<中世への共感>に支えられていた。有島にとっての<歴史>の意味は、彼の芸術の生成を考える上で、重要なものである。
著者
川瀬 卓
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.16-32, 2015-04-01

本稿はどのようにして「どうぞ」が聞き手に行為を勧めることを表す副詞となったのか,なぜそのような変化が起きたのかについて,類義語の「どうか」との関係も含めて考察した。「どうぞ」は,近世から近代にかけて行為指示表現と関わる副詞に変化し,話し手利益の行為指示を表すようになる。近代以降新しく「どうか」が話し手利益の行為指示を表すようになったことで,「どうぞ」は聞き手利益の行為指示に偏っていく。ただし,あいさつや手紙など,限られた場面や文体においては,話し手利益の行為指示でも用いられる。以上の歴史的変化は,配慮表現において前置き表現が発達することや,行為指示表現の運用において受益者の区別が重要になることを背景として生じたものである。本稿の考察によって,配慮表現の歴史,行為指示表現の歴史を明らかにするうえで副詞に注目した考察も有効であることが示された。
著者
宇井 美代子 松井 豊 福富 護 成田 健一 上瀬 由美子 八城 薫
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.215-223, 2008 (Released:2011-06-25)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

The present study analyzed demographic and psychological factors that affect adult men's decisions to solicit a prostitute. We administered a questionnaire to 1 400 randomly sampled men aged 20 to 59, who live in the Tokyo metropolitan area (obtaining 664 valid responses). The results revealed that 14.6 percent of respondents have had the experience of being a client in prostitution at some point over the past four to five years. Men in their 50s, who spent their adolescence before the enforcement of anti-prostitution laws, had high prostitution acceptability. Those in their 20s and 30s, who spent their adolescence in the 1990s when “Enjyo-Kousai” (Japanese amateur prostitution)gained topicality, also showed high rates. These findings are considered to be birth cohort effects. In addition, those men who reported grater sexual drive and desire for intimate contact with others, as well as those who reported fewer attitudes of gender egalitarianism, had higher rates of prostitution solicitation. Finally, those men who reported less emotional family bonds also showed higher rates.
著者
白井 宏樹 小堀 正人
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.129, no.1, pp.51-55, 2007 (Released:2007-01-12)
参考文献数
8

バイオインフォマティクスは,各種生物情報を情報科学的手法によって整理や解析をすることで,生物学上の重要な知見を抽出したり,またそれを促進させる研究分野である.様々な生物情報がフリーで入手可能な今日,バイオインフォマティクスは分子生物学研究や創薬において重要な役割を担っている.本稿では,創薬におけるバイオインフォマティクスの現状と問題点,および将来への展望を記述した.とくにバイオインフォマティクスによる仮説立案の役割について,研究2例を紹介し,その重要性と問題点を記述した.
著者
平井 新
出版者
慶應義塾経済学会
雑誌
三田学会雑誌 (ISSN:00266760)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.159(1)-177(19), 1961-03

論説
著者
三上 繁実 川野 順一郎 奥田 治雄 上原 年博 千葉 光雄 坂内 達司
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.21, pp.19-22, 1996-03-15
被引用文献数
1

The development of a practical VTR that is compact, inexpensive and offers high picture quality has been pressing requirement Comparing present HDTV VTRs (1-in. digital VTR and UNIHI VTR etc.) with current conventional-definition television (CDTV) VTRs used in broadcasting, there is much room for improvement in terms of cost (VTR & tape), function and performance, mobility and maintenance for practical use. To solve these problems at an early stage, we have developed an HDTV VTR using a 1/2-in. tape cassette by making effective use of a current CDTV digital VTR (D-5 VTR) and applying bit rate reduction technology.
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1569, pp.24-27, 2010-12-06

11月10日午前0時過ぎ。ショッピングモールが立ち並ぶ、フィリピン・マニラの目抜き通りで水道管の更新工事が始まった。土砂降りの雨の中、作業員が鉄管を慎重に地中に下ろしていく。雨で調子が狂うのか、なかなか位置が定まらない。「雨季だから工程管理が大変だ。交通量が多く、夜明けまでに工事を終わらせる必要もある。急がなければ」。
著者
中川素子編
出版者
翰林書房
巻号頁・発行日
2009
著者
松岡馨 著
出版者
青山清吉
巻号頁・発行日
1894

6 1 1 1 OA 新式算術講義

著者
高木貞治 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1904
著者
石川 哲
出版者
公益社団法人 日本視能訓練士協会
雑誌
日本視能訓練士協会誌 (ISSN:03875172)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-9, 2005-09-30 (Released:2009-10-29)
参考文献数
16

最近話題のシックハウス症候群(SHS)、多種化学物質過敏症(MCS)に関してその要点を総説的に解説した。本症は微量化学物質の慢性接触により生じた生体の自律神経、中枢神経、免疫系、内分泌系を中心とする過敏反応である。感覚器としての眼はちかちかする、異物感がある、視力が低下する、かすむ、中心部が見にくい、つかれるなどの症状、訴えが頻度的にも最も多い症状である。これら疾患の診断に眼は最も役に立つ器官である。何故ならば定量的にその障害が極く軽度のレベルから測定出来るからである。現在特に患者が多いのは新築により生じた症例、またはリフォームによる症例が中心をなしている。我々現代人は過去100年前には体験出来なかった合成化学物質蓄積が既にあり、生体内の解毒システムがそれに動員されるので、本来ならば反応しない低いレベルの物質でも閾値が低く反応が起こり発症する可能性が強い。我々の周辺の環境劣化は健康問題一つとして21世紀には絶対に放置出来ない限界点まで来てしまっている。Sick House, MCS問題で悩んでいる患者もこの環境劣化現象の結果現れた可能性が強い.今後我々は真摯な態度で環境問題を考えそれに対処して行く必要がある点を強調したい。