著者
馬場 香里
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.207-218, 2015

<b>目 的</b><br> 児童虐待防止への介入の必要性の判断や介入の評価指標とする児童虐待の本質を捉えた尺度の開発につなげ,さらに将来的な周産期における児童虐待防止への支援の発展と,児童虐待予防活動の基盤づくりへの示唆を得ることを目的とした。<br><b>方 法</b><br> Rodgers(2000)の提唱する概念分析のアプローチ法を用いた。9つのデータベースとして,医中誌Web,CiNii,MEDLINE,CINHAL,PsycINFO,SocINDEX,Minds,National Guideline clearing-house,trip databaseを使用し,検索用語は「児童虐待(child abuse),妊娠(pregnant women),産後(postnatal),育児(child care)」とした。最終的に,英語文献26件,日本語文献32件の計58件と,日本小児科学会の発行している「子ども虐待診療手引き(2014)」を分析対象とした。<br><b>結 果</b><br> 5つの属性【養育者から子どもへの一方的な支配関係】【養育者の自覚の有無に関係しない行為】【子どものwell-beingを害する行為】【子どものwell-beingを保つ行為の欠如】【子どもの状況】,5つの先行要件【養育者の要因】【子どもの要因】【社会環境の要因】【複数要因の重なり】【適切な介入の不足】,5つの帰結【子どもの保護】【養育者の否認と孤独】【サバイバーの健康への影響】【母になったサバイバーの苦悩】【世代間伝播】が抽出された。代用語に「child maltreatment」が抽出され,関連概念に「しつけ」「shaken baby syndrome(揺さぶられっこ症候群)」「Munchhausen Syndrome by proxy(代理ミュンヒハウゼン症候群)」が抽出された。分析の結果,本概念を「養育者から子どもへの一方的な支配関係から成る,養育者の自覚の有無に関係しない行為による子どもの状況を基盤とした,子どものwell-beingを害する行為,及び子どものwell-beingを保つ行為の欠如である」と再定義した。<br><b>結 論</b><br> 本概念分析の結果は,児童虐待の本質を捉えることにつながり,今後の研究において児童虐待を測る尺度を開発する基盤となりうる。また本概念分析により,児童虐待による子どもへの長期的な健康への影響や,次世代への児童虐待の繰り返しの可能性が示され,児童虐待発生前の妊娠期からの予防の必要性,特に周産期で主な支援対象となる母がサバイバーであった場合の母に対する介入の必要性が示唆された。さらに周産期における児童虐待防止への支援については,妊婦のみならず,そのパートナーや子ども,社会環境も含めて支援対象であると認識し,それらの要因に対する適切な介入が必要である。
著者
町田 隆吉
出版者
桜美林大学
雑誌
国際学レヴュー (ISSN:09162690)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.33-54, 2000-03-31

Sima-Guang 司馬光 is a government officer in the Northern Song 北宋 dynasty and a famous historian. He compiled Chinese history "Zizhitongjian 資治通鑑" and he wrote the book of a historical investigation. "Zizhitongjian-Kaoyi 資治通鑑考異" at the same time. This paper analyzed "Zizhitongjian-Kaoyi" in order to see how the history of Wuhu-Shiliuguo 五胡十六国 period in "Zizhitongjian" was compiled. Sima-Guang made reference to several books on the history of Wuhu-Shiliuguo period, especially "Shiliuguo-Chunqiu 十六国春秋." "Shiliuguo-Chunqiu" was 102 volumes, when it was compiled by Cui-Hong 崔鴻 in the Northern Wei 北魏 period. As time passed, it was scattered and lost. But it still remained in the Northern Song period. I looked through "Zizhitongjian-Kaoyi" and I could find "Shiliuguo-Chunqiu" an incomplete book."Shiliuguo-Chunqiu" that Sima-Guang could use, was a little over 20 volumes, when he compiled "Zizhitongjian."
著者
窪田 眞二
出版者
筑波大学
雑誌
筑波フォーラム (ISSN:03851850)
巻号頁・発行日
no.67, pp.81-84, 2004-06

教育学系は、平成13年度着手分の分野別研究評価を受けた。14年度1年間が外部評価のための実務に充てられたわけである。5月の連休明けに提出された個人別判定票に基づき、7月には全体をとりまとめた報告書を提出したので、夏前までは ...
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1613, pp.92-95, 2011-10-24

北海道のほぼ中央に位置する赤平市は、かつて炭鉱で栄えた。だがピーク時に6万人だった人口は、相次ぐ閉山によって1万2000人を数えるほどに減ってしまった。 すっかり静かになったこの地で、時折、「ゴオオオオ」という地鳴りのような音が響き渡る。すると農作業の手を休め、「植松さんのところでまたロケットの実験をやっているな」と心の中でつぶやく。そして、農作業に戻る。
著者
大津 和弥 竹内 万彦
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.22-24, 2010-06-01 (Released:2010-10-08)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

In general, the primary therapy for mutational voice disorder has been voice therapy. However, we sometimes see cases in which voice therapy does not decrease the high pitch of mutational voice disorder. We performed an Isshiki type III thyroplasty on a patient with mutational voice disorder who had been treated by voice therapy for two years without remarkable improvement of his voice. His voice pitch became much lower after the Isshiki type III thyroplasty surgical procedure. The patient's fundamental frequency (F0) decreased from 276 Hz before surgery to 126 Hz after surgery. Isshiki type III thyroplasty was found to be useful as surgical treatment for higher pitch and resulted in a voice that was satisfactory to the patient with mutational voice disorder.
著者
柳田 直美
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.28-29, 2002-03-20

This study examines the difference between the strategies of experience of contact situations and the strategies of native speakers without such experience. The subjects consist of three Japanese language teachers, three professors and three Japanese native speakers who have scant experience in contact situation. The result shows that Japanese language teachers and professors groups succeed in obtaining accurate information, and that Japanese teachers group does support conversations positively and effectively.
著者
久保薗 愛
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.14-28, 2012-01-01

18世紀鹿児島方言を反映するロシア資料には,「テアル」「テオル」という「テ+存在動詞」形式が見られる。鹿児島方言とロシア語の対訳資料であるという資料の性質を踏まえた上で,「テアル」「テオル」の表す意味を,ゴンザが関わった日本語訳とロシア語文の両面から検討した。その結果,「テアル」は「主語が動作を受けて存在する」ことを表す形式であり,一方の「テオル」は既然態に類する「状態」を表す形式であることを述べた。また,「テオル」は,主語の有生/無生を問わず使用されていることを指摘し,この振る舞いは現代の西部日本方言の存在動詞の体系に通じるものであることについて言及した。
著者
木村 穣 梶原 景正 坂部 貢 大塚 正人
巻号頁・発行日
2012-04-01 (Released:2013-05-31)

有機リン等の被爆が主原因とされるシックハウス症候群の患者単球においてNeuropathy Target Esterase(以下NTE)の活性が健常者に比べて高いことを2013年に報告した。有機リンが結合したNTEが化学変化を起こすと遅延性のOPIDN(organophosphate-induced delayed neuropathy)を引き起こすとも言われ、有機リン関連疾患の発症機構解析と疾患モデル開発のために、NTEをコードする遺伝子PNPLA6を導入したマウスを作製し、その性状を明らかにすると共に、NTE遺伝子導入細胞での有機リン感受性を検討した。複合体検出系も開発中である。
著者
柏木 恭典
出版者
千葉経済大学
雑誌
千葉経済大学短期大学部研究紀要 (ISSN:2189034X)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-11, 2016-03-31

The study aims to find out the historical relationship between child maltreatment and neonaticide. At first I tried to analyze the hermeneutical perspective of historical background of child maltreatment. Secondly I tried to describe the new anonymous support for women and children in need as protection prior to child maltreatment and abuse. It is most important issue for this study to elucidate research results relating to the concept of child maltreatment and the issues of Babyklappe (baby-box) and helping the women in need. The results suggest that the issues of child maltreatment historically not only belong to child protection, but also belong to supporting the women and children in need.
著者
羽生 善治 松本 大 梅田 望夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
pp.202-206, 2002-07-01

司会 今日は競争社会の中に生きる皆さんに、日本を取り巻く閉塞感をどうすれば打破できるか話し合っていただきたいと思います。 かつて私は『将棋の子』(大崎善生著、講談社)という本を読み、そこに描かれた奨励会(プロ棋士の養成機関)所属の子供たちの凄まじい競争に驚愕しました。その激烈な競争を日常として育ってきた羽生さんには、今の日本社会はどう映るのでしょうか。
著者
松尾 亮太
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.253-258, 2011 (Released:2011-11-08)
参考文献数
47

哺乳類の脳は,ひとたび損傷を受けると再生することが非常に難しく,また脳の構成要素であるニューロンは,最終分化を果たしていて細胞周期は停止した状態である。一方、軟体動物腹足類であるナメクジの中枢神経組織は、損傷や欠損を受けても自発的に構造レベル、機能レベルでの回復を遂げることができる。例えば触角は,切断を受けてもそこに含まれる神経組織を含めてほぼ完全に再生することができる。同時に,大小二対存在する触角は,互いに機能レベルでの冗長性も有している。また,脳の左右に一対存在し,高次嗅覚機能を担っている前脳葉と呼ばれる部位は,損傷や欠損を被った際,自発的に組織レベル,機能レベルでの回復を遂げることができる。そして前脳葉自体も,常に左右いずれか片方ずつが機能するという,ある種の機能的冗長性を有している。さらに,ナメクジのニューロンは,物質合成能を高める必要がある場合には自身のゲノムDNA量を増やすことさえできる。本稿では,こういった,我々哺乳類には到底不可能な,さまざまな離れ業を示すナメクジの神経組織について紹介する。
著者
柳田 直美
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.52-53, 2010-03-27

In this paper, I report on "Daily Talk," which is a talking activity with the aim of helping advanced beginners improve their communication ability. "Daily Talk" is a short, immediate communication activity which is repeated many times throughout the course. Through this activity, learners recognized "Daily Talk" as an enjoyable, significant and useful for improving communication ability. Therefore, while this activity takes up only 10 minutes of class time, it can motivate learners and satisfy their needs to communicate with others in Japanese.
著者
石引 雄二 松村 勉
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.57-59, 2006-01-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

症例は16歳男性. 既往歴は10歳で近医にで性同一性障害の可能性指摘. 11歳で側頭葉てんかん. 2004年4月20日早朝, 睡眠中陰部疼痛で覚醒し, 陰嚢に出血あり. 父親がベッド下にカッターナイフ発見. 当科受診し, 右外傷性精巣脱出症の診断. 右陰嚢切開創より精索に及ぶ陰嚢内容脱出. 手術で陰嚢内容を還納し, 閉創. 術後8日目に退院. 退院後は自傷行為の再発なし, 性器自傷は本邦報告37例と比較的稀である. 自験例はこの内, 最年少であった.