著者
石川 正弘 谷 健一郎 桑谷 立 金丸 龍夫 小林 健太
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.122, no.7, pp.291-304, 2016-07-15 (Released:2016-08-02)
参考文献数
71

丹沢層群および丹沢複合深成岩体は,かつての伊豆小笠原弧の火成活動に伴うものと考えられ,丹沢層群と深成岩体は,伊豆小笠原弧の上部地殻と中部地殻が島弧衝突に伴って隆起・露出したと解釈されてきた.しかし近年,丹沢複合深成岩体について岩石学,地球年代学,地球化学,岩石磁気学的な手法を使った再検討が行われ,深成岩体は中部地殻断面ではなく,衝突マグマ活動によって形成されたことが明らかにされた.さらに,丹沢変成岩から組成累帯構造を持つ角閃石が見つかり,従来説の接触変成作用だけではなく,非常に暖かいスラブの沈み込みとそれに続く急上昇プロセスが明らかにされつつある.このように丹沢山地の深成岩と変成岩の形成プロセスに関する視点は今まさに大きく転換しつつある.今回の地質巡検では,伊豆衝突帯のジオダイナミクスという視点から丹沢山地に分布する丹沢層群,丹沢変成岩,丹沢複合深成岩体,足柄層群,神縄断層を案内する.
著者
塩満 卓
出版者
佛教大学福祉教育開発センター
雑誌
福祉教育開発センター紀要 (ISSN:13496646)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.73-89, 2017-03-31

本稿の目的は、精神障害者対策を図るうえで、家族がどのように位置づけられてきたのか。保護者制度の源泉も辿りつつ、今日までの歴史的経緯を明らかにし、精神障害者家族に対する制度上の課題を言及していくことである。研究の結果、江戸時代後期には、「精神病者監護法」の私宅監置や家族の個別責任化という処遇や思想の原形が明文化・制度化されていた。そして、明治後期以降の精神障害者家族は、治安対策上、無償で機能する法の執行者として、さらには疾病管理から日常生活支援に至るまでのケアラーとして位置づけられ続けた。2013年の精神保健福祉法改正で「保護者制度」は廃止されたものの、医療保護入院の契約者は「保護者」が「家族」に変更されたに過ぎず、実態はこれまでと変わっていない。今後の精神障害者対策は、家族介護を前提としない「脱家族」の制度設計を目指し、家族介護に代わる公共的支援を量的にも質的にも拡充していく必要があることを指摘した。保護(義務)者制度精神障害者家族残余的福祉モデル脱家族家族介護
著者
槇山 次郞
出版者
地球學團
雑誌
地球
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.333-345, 1931-11-01
著者
牧野 幸志 Koshi MAKINO
雑誌
経営情報研究 : 摂南大学経営情報学部論集
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.19-36, 2012-02

本研究は,青年期における恋愛と性行動に関する調査研究である。本研究では,まず,現代青年の浮気経験,性経験を明らかにする。その後,浮気経験者への調査により,浮気関係,浮気行動の内容を明らかにする。被験者は,大学生・短大生400 名(男性195 名,女性205 名,平均年齢19.09歳)であった。そのうち,浮気経験者は52 名(男性22 名,女性30 名)であった。調査の結果,現代青年において浮気経験率は全体の13.0%,恋愛経験者における浮気経験率は17.4%であった。性差はみられなかった。また,性経験率は全体で40.5%であった。浮気行動を分析したところ,浮気関係では性的な関係を持つものが多く,浮気相手は同年齢が多かった。浮気の主な理由は,男性では「性的欲求を満たすため」が多く,女性では「相手の魅力」が多かった。浮気回数は,男女ともに1,2 回が多く,浮気が終わった理由は,女性では「恋人への罪悪感」が最も多かった。
著者
宮田 律
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治
巻号頁・発行日
vol.1989, no.92, pp.158-170,L16, 1989

The coup backed by the CIA which toppled the Mussadiq's government in 1953 and the failure of the popular uprising led by Khumeini initiated and developed the anti-US feeling in Iran. This fact can be proved because Khumeini's &ldquo;struggle&rdquo; against &ldquo;American imperialism&rdquo; led to the Iranian Revolution in 1979 and the successive US hostage incident in Iran (November 1979-January 1981).<br>After the uprising in 1963, the U. S. government gradually got on closer terms with the Shah's regime. Such U. S. support for the corrupt and repressive government of the Shah had close connections with important American industries, such as munitions production, electric power generation and communication industry. In addition, the clash of interests and competition of these industries in Iran were carried out by bribes and a huge commission system. Furthermore, in 1977, about 70% of the national budget was spent on military affairs, so it was evident to many Iranians that the Iranian policies were determined by the interest of these American enterprises.<br>After the 1963 uprising was quelled, Khumeini formed strong attachments with the purpose of overthrowing the Shah's regime. He believed that the Shah was selling the spirit of Iran to the U. S. and propagating corruption, immorality and repression. In addition, Khumeini blamed the U. S. for making the Shah carry out the &ldquo;White Revolution&rdquo;, so it was responsible for the tragedy that occurred in that uprising. Khumeini also declared that the U. S. government compelled the &ldquo;Puppet Shah&rdquo; to give Americans extraterritorial rights. Up until the revolution in 1979, he had condemned the Shah and admired the people who were engaged in the anti-establishment movement, and he denounced the U. S. government for supporting the corrupt and repressive Shah's government. Thus, Khumeini and his followers became the background of anti-US ideology of the Iran-Islam government which has endured till the present.<br>This paper traces the formation and development of anti-American feeling in Iran. This anti-US feeling has formed the basis of diplomatic policies of the Iranian government since the revolution. Needless to say, Iranians have various feelings about the U. S. In fact, while freedom and democracy have been questioned in Iran since the revolution, some Iranians have discovered the merits of American democracy. This influence of democracy had penetrated the public as well as the private sector, because it is known that some Iranian government officials secretly negotiated with the U. S. government in the Iran-Contra incident. Furthermore, Rafsanjani's more realistic government might change its policies against the U. S.; however, it is certain that the Iranian government will follow Khumeini's line for the present. Needless to say, the U. S. learned a great lesson about its relations with the Third World from Iran-a lesson that should be remembered when dealing with these countries in the future.
著者
奥田 将生 橋爪 克己 上用 みどり 沼田 美子代 後藤 奈美 三上 重明
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.2, pp.97-105, 2010 (Released:2012-02-13)
参考文献数
19
被引用文献数
3 1

登熟期の気温と原料米の溶解性に密接に関係するデンプン特性の年次·産地間変動との関係について解析し,以下の結果が得られた。1 同一品種でも産地間でデンプン特性や蒸米消化性が異なるのは,産地の登熟期気温が影響したことが主な原因であると示唆された。2 25品種27産地の生産年度の異なる試料について,出穂後気温とデンプン糊化温度の関係について解析したところ,登熟期気温と糊化温度は高い相関性を示し,登熟期気温が低い年は糊化温度が低く,一方気温が高いと糊化温度も高くなることを確認した。以上,デンプン糊化温度は蒸米消化性と高い相関性を示すので,これまでと今回の研究結果から,原料米ごとの出穂後の気温に注目すれば,かなりの精度で原料米の溶解性に関する酒造適性を予測できると考えられた。
著者
合屋 十四秋 寺本 圭輔 松井 敦典 下永田 修二 土居 陽治郎 モラン ケビン
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 芸術・保健体育・家政・技術科学・創作編 (ISSN:18845150)
巻号頁・発行日
vol.60, pp.35-46, 2011-03-01

The causes of drowning must dictate especially what we teach, content, and to a lesser degree, how we teach. Therefore, an project was conducted among Japanese university students in order to explore the relationship between swimming competency, students estimates of their competency, and their perception of the risk of drowning. Sixty five males and 48 females university physical education students enrolled at three institutions were the subjects of the study. The questionnaire consisted of a) perception of their ability, b) perception of their ability to perform these in open water and c) their perception of risk in five specific scenarios. Practical tests consist of seven aquatic skills. No significant differences were found in actual swimming-related abilities between male and female students, although more females than males did not complete the tests of: dive entry into pool (female 23%; male 11%), surface dive to 2m (female 33%; male 19%), and 100m swim on back (female 28%; male 9%). Similarly, no differences were found in self-estimated swimming abilities by gender. More females than males estimated higher risk of drowning for each of the 5 drowning scenarios that students were asked to estimate the personal degree of risk. This study found that male students tend to underestimate the potential dangers in the risk of drowning.

2 2 2 2 OA 出版年鑑

著者
東京書籍商組合 編
出版者
東京書籍商組合事務所
巻号頁・発行日
vol.昭和11年版, 1936
著者
飯田 香穂里 プロクター ロバート N
出版者
BMJ Pub. Group / London (c1992-)
雑誌
Tobacco Control = Tobacco Control (ISSN:09644563)
巻号頁・発行日
2018-02-04

目的:日本たばこ産業株式会社(JT)が、研究助成機関である喫煙科学研究財団を1986 年になぜどのように設⽴したのかを調べる。また、この財団が⽇本におけるたばこ政策と科学にどの程度影響を及ぼしたのかを探る。⽅法:最近の⽇本国内の訴訟資料、出版されている⽂書、「Truth Tobacco Industry Documents」アーカイブに保存されているたばこ業界の内部⽂書等を分析した。結果:たばこ規制に対するJT の対策は、1980 年代半ば、JT ⺠営化に伴って強化された。⼤蔵省の保護下にとどまったものの、半⺠営化された会社には、(これまでと同等の)「政治家とのパイプ “access to politicos”」はなくなり、海外たばこメーカーとの連携の必要性が出てきた。その解決策の⼀つが、アメリカの会社と密かに情報交換をしながら進めた、第三者機関としての財団の設⽴だった。この財団には⽇本の科学的・医学的権威を取り込むことが期待されていた。政府や学界の影響⼒のある⼈物に守られ、財団は、国内外のたばこ規制政策に影響を及ぼすという⽬標とともにスタートした。財団から助成を受けた研究者は、国際学会、国内の諮問委員会、たばこ訴訟等に参加し、たばこの販売継続を可能にする環境づくりに貢献した。結論:財団は独⽴や中⽴を意図したものではないことが内部⽂書から明らかであり、JTの主張とは異なる。財団の設⽴は、1953 年にアメリカでスタートした業界による “たばこの害否定論キャンペーン” が、海外たばこメーカーの積極的な協⼒により、アジアに⼊ったタイミングを⽰すものと⾔えるだろう。
著者
酒井 弘憲
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
ファルマシア
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1002-1003, 2014

少し暑さも納まり,過ごしやすい季節になってきた.サマージャンボに続き,オータムジャンボ宝くじが発売される.当たらないとは分かっていても先日のサマージャンボのように1等前後賞合わせて6億円などと言われると,ついつい買ってしまうのが人情である.銀座数寄屋橋の宝くじ売り場などは毎回,長蛇の列である.しかし宝くじは,言ってみれば某銀行や地方自治体が胴元の公認/公営ギャンブルみたいなものである.<br>皆さんはそのテラ銭,つまり胴元の取り分の割合をご存じだろうか? 競馬などの公営ギャンブルで25%くらい,パチンコでもせいぜい12%程度なのである.ところが,宝くじのテラ銭は何と54%にも上るのである.売り上げの半分以上が懐に入る仕組みで,胴元の某銀行は笑いが止まらないであろうと思われるかも知れないが,このお金はご存じのように公益事業に使われるので,公共団体などへの寄付のようなものとも考えられなくもない.4月に消費税が8%に上がって不平不満たらたらのはずだが,宝くじなら炎天下に2,3時間並んでも買おうというのであるから,著者も含め,まったくみんなおめでたくできている.<br>統計の連載なので少しそれらしい話に戻ると,皆さんは,宝くじの当選確率はいったいどのくらいになると思われるだろうか? 確率の世界では,「期待値」という考え方がある.取らぬ狸の何とやらで,宝くじ1枚あたりでいくら自分の手元に戻ってくるかという金額である.ジャンボ宝くじの場合,1ユニットあたり1,000万本が発行され,その中で1等はわずかに1本のみ.つまり1等を手にする確率は,1,000万分の1の確率なのである.当選金の期待値は,当選金額×当選確率で計算されるので,1等3億円の期待値はわずかに30円ということになる.この計算を1等から6等まですべてに当てはめて合算すると,ジャンボ宝くじ1枚の期待値は140~150円程度なのである.1枚300円なのでその半分以下しか期待できないというのが現実なのである.<br>その事実を知ったうえでも,なお,宝くじをお買いになるかどうかは皆さんの判断次第であるが,あまりにも分の悪い勝負というよりほかはない(と偉そうに講釈しながらも著者自身,まずは買わなければ当たらないと,毎回購入しているのだが…).<br>勝負というと,医薬品の開発も勝負には違いない.1つの医薬品を開発するのに,いまや1,000億円以上の経費を費やし10年もの歳月を重ねることになるが,最後の最後で安全性で問題が見つかり開発中止になるなどといった事例は枚挙に暇がない.製薬企業にとっては,まさに真剣勝負なのである.
出版者
日経BP社
雑誌
日経アーキテクチュア (ISSN:03850870)
巻号頁・発行日
no.967, pp.46-53, 2012-01-10

神奈川・湘南地域最大級の大型商業施設「テラスモール湘南」がJR辻堂駅前に開業した。街やそこにある生活との連続性を重視し、周辺の地勢となじませた施設形態や、低層の路面店感覚のゾーンを持つのが特徴だ。 駅前広場に面し、ひな壇状にセットバックするゆったりとしたテラスの風景が広がる。駅からは2階レベルのデッキでつながり、行き交う人の姿は絶えない。
著者
林 寿和
出版者
日本経営倫理学会
雑誌
日本経営倫理学会誌 (ISSN:13436627)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.111-127, 2018-02-28 (Released:2018-04-13)

This paper analyzes how the volume of disclosed information and/or impression management in corporate reporting affect companies’ ESG scores, and thus positive screening based on ESG scores by using simulation models. The key findings of this paper are as follows. Firstly, the accuracy rate of positive screening would be significantly affected by the information volume and/or impression management. Secondly, an increase in the number of evaluation items or date points to calculate ESG score seem to provide more multi-dimensional ESG evaluation. However, under the circumstances where the effect of the volume of disclosed information and/or impression management on ESG evaluation exists, the accuracy rate would not be necessarily improved. Thirdly, introduction and tightening of disclosure regulations would improve the accuracy rate, but its marginal effect is incremental. When practitioners employ ESG scoring based on corporate reporting, they need to consider appropriate measures to eliminate or reduce the negative effects.