著者
城所 宏行 末廣 芳隆 ブルシュチッチ ドラジェン 神田 崇行
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1203-1216, 2015-04-15

公共の場で活動するソーシャルロボットが期待されている.ソーシャルロボットは人々の興味を引き,かつ有意義なサービス提供ができる可能性がある.しかし,興味を引かれてロボットと相互作用を始めた子供たちの行動が,ときに行き過ぎ,ロボットに対して攻撃行動を起こすことが明らかになってきた.観察実験によって,ロボットに関心を示した子供のうち,合計で117回の執拗な攻撃行動を観測した.子供たちはロボットに暴言を吐き,蹴り,叩くなどの行動でロボットの活動を執拗に妨害していた.本論文では,ロボットに対する執拗な攻撃行動を「ロボットいじめ」と名付け,この現象の緩和を試みる.この目的のために,子供のロボットいじめ行動をモデル化し,ロボットがモデルを用いてロボットいじめ行動を事前にシミュレートし回避可能にさせる.モデルを歩行者シミュレーションへ導入することで,子供のロボットいじめ行動をシミュレーション上で再現できるようにした.また,本論文では,ロボットいじめ行動のシミュレーションをロボットの将来行動の計画に用いる,というシミュレーションに基づいた行動計画方法を提案する.ロボットは,センサシステムから現在の状況を取得し,自らの行動に対して子供たちがどのような行動をして,その結果,近い将来どのような状況が生じるのかをこのシミュレーション上で検討する.このシミュレーション結果を比較することで,ロボットいじめが起きにくい行動を選択する.この「ロボットいじめのシミュレーションに基づいた行動計画」システムを構築した.実際のショッピングモールでシステムを用いた実験を行ったところ,ロボットいじめの生起を抑制できたことを確認した.
著者
國久 美由紀 松元 哲 吹野 伸子
出版者
農業技術研究機構野菜茶業研究所
巻号頁・発行日
no.4, pp.71-76, 2005 (Released:2011-03-05)

野菜茶業研究所で開発したイチゴ品種識別用CAPSマーカーのうち9マーカーを用いて,市場で流通していた韓国産輸入イチゴ5パックの品種識別を行った。本試験の目的は,開発した識別技術が長期の流通期間を経て鮮度の低下した果実サンプルに適用できるか確認すること,および韓国からの輸入イチゴ品種の実態を調査し,‘さちのか’に関する育成者権の侵害が起こっていないか確認することであった。分析の結果,著しく鮮度の低下したサンプルでも品種の特定は可能であった。また,分析した5パックのうち4パックは‘さちのか’と‘レッドパール’の混合であり,全71果実のうち27個が‘さちのか’で,種苗法に違反している疑いが極めて強かった。また3パックは‘女峰’と表示され店頭で販売されていたことから,品種の不正表示も示唆された。
著者
新井 紀子 松崎 拓也 犬塚 美輪 尾崎 幸謙 登藤 直弥 影浦 峡 藤田 彬
出版者
国立情報学研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01 (Released:2016-04-21)

平成28年度は、リーディングスキルテストおよびアンケートを実施するためのソフトウェア、Reading Skill Test α版を設計した。また、その上で実施するテストの各問題タイプの仕様を策定した。テストでは、テキストベース での読解力スキルとして,Dependency (係り受け),Anaphora(照応),Paraphrasing(言い換え),Inference(推論),Representation(表象),Instantiation (具体例)の6つにターゲットを絞ることとし,知識を問わない読解処理の問題を1100問以上作成した。これからいくつかのテストセットを選定し、小学6年生から社会人まで2万人以上に対して、テストを実施し、データを収集した。その過程において、項目特性図を参考にして、不適切と思われる項目を除外し、最終的に困難度(b値)を推計できた問題を数百問整備した。その上で、調査を受けた2万人のうち1万人を超える受検者に対して能力値(θ)を推計し、テストの妥当性について検討した。その結果、読解力は学齢が上がるごとに上昇することが示されテストの妥当性を示すものである。また、学校の就学支援率が高いほどθが低くなり、また学校が駅から遠いほどθが低くなる、という結果を得た。本調査については、主要メディアに取り上げられ、文部科学省が実施する高大接続高校基礎テスト(パイロット版)においても採用され、実施された。本研究成果は、認知科学のトップカンファレンスであるCogSco2017に採択された。
著者
久保田 昌希
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤史学 (ISSN:04506928)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.27-62, 1997-12
著者
徳田 真帆
出版者
くにたち人類学会
雑誌
くにたち人類学研究 (ISSN:18809375)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.21-46, 2010

本稿の研究対象はジャニーズファンである。ジャニーズファンとは、ジャニーズ事務所に所属するアイドルのファンのことであり、その熱狂的な応援行動に特徴付けられる。しかし、彼女たちは、単に応援行動に「没入」しているわけではない。彼女たちは、アイドルの虚構性を十分に認識しながらも、同時に彼らに対し自分と同一化してしまう程の強い親近感を抱いているのである。このような「アイロニカルな没入」とでもいうべき状況は、どのようにして可能になるのか。本論文では、ジャニーズファンたちが実践する「担当制」の検討を通し、トーテミスム論を手がかりに、その仕組みを明らかにすることを目指したい。
著者
川合 敏雄
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.227-235, 1986-03-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
3

最近では工学者もしきりにハミルトニアンを口にします. それは物理学者の使い方と同じ場合もありますが, 制御工学者のいう〓はより広い意味をもっています. 最適制御の理論は最大原理という大きな枠で, これを特殊な対象に適用すると力学をはじめとする自然法則が出てきます. この文では最大原理を日常の言葉で理解しながら, 物理法則を制御の目で眺めなおしてみます.
著者
加藤 桂子
出版者
東京女子大学
雑誌
史論 (ISSN:03864022)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.196-210, 1955

47 2 1 1 OA 殖民地便覧

著者
内閣拓殖局 編
出版者
内閣拓殖局
巻号頁・発行日
vol.昭和3年, 1929
著者
守屋 純二 竹内 健二 上西 博章 赤澤 純代 元雄 良治 橋本 英樹 金嶋 光男 小林 淳二 山川 淳一
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.87-93, 2014 (Released:2014-10-17)
参考文献数
25

慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome : CFS)は6ヵ月以上持続する,休息後も改善しない強い疲労感を主症状とする。発熱,睡眠障害,頭痛などの症状を呈し,著しく生活の質が損なわれる。原因として,ウイルスによる先行感染,免疫学的な変調,中枢神経系の,特に海馬における形態的・機能的変化などが報告されている。しかし,明らかな原因は不明で,診断マーカーや治療法は確立していない。今回報告する症例は16歳男子高校生で,インフルエンザ罹患後の持続する発熱と強度の倦怠感などを主訴とした。既に複数の医療機関において約1年間の精査・加療を受けるも原因は不明で,CFSと診断された。当科紹介時に再度CFSの診断基準を満たすことを確認し,三黄瀉心湯エキス7.5g/分3とデュロキセチンを併用したところ,4週後には疲労・倦怠感は軽減した。しかし,熱型は不変,食欲低下を認めたため,補中益気湯エキス7.5g/分3を追加したところ,劇的に症状が改善した。西洋医学的に治療に難渋するCFS のような疾患に対して,漢方治療が有効な治療方法として使用できると考え報告する。
著者
池内 裕美
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.86-98, 2014-11-30 (Released:2015-07-24)
参考文献数
28
被引用文献数
5

In this study, hoarding tendencies were defined as the trait through which many possessions were accumulated and could not be discarded because of their subjective meaning. Two internet surveys were conducted. In Study 1, a hoarding tendency scale for non-clinical individuals was developed, with questionnaires sent to 410 participants. In Study 2, animistic thinking was taken up as one of the determinants of hoarding, and the relationship between animistic thinking and hoarding tendencies was investigated. Two hundred and thirty-four participants were asked to complete a questionnaire. The main findings were as follows: (1) The results of factor analysis indicated that the hoarding tendency scale consisted of six factors (28 items), such as “having too many things” and “avoidance of discarding things.” These subscales indicated the common and particular attitudes of hoarders toward their possessions. (2) The hoarding tendency significantly correlated with compulsive buying. This result indicated that the hoarding tendency scale demonstrated sufficient criterion-related validity. (3) Animistic thinking, especially “part of the possessor” and “the anthropomorphication of possessions,” had a significant effect on hoarding tendencies.
著者
山内 祐平
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.42125, (Released:2018-12-28)
参考文献数
37

急速な社会の変化に対応する学習のあり方としてアクティブラーニングが注目を集めている.本論文ではアクティブラーニングの歴史をまとめ,用語について定義した上で,教育方法や日本への受容過程について考察した.また,この10年間に教育工学会論文誌に掲載されたアクティブラーニングに関する研究の動向をレビューし,授業・評価・環境・支援の4領域にわたる研究が行われていることが明らかになった.これら既存の研究の課題をもとにアクティブラーニングの今後の展望について述べた.
著者
喜納 恵理佳 橋田 朋子
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.83-85, 2018-09-06

本研究では衣服を局所的・動的に拡張することが可能なテキスタイルを提案する.本システムはファスナ上に縫い付けたハニカムコアのテキスタイルをファスナのスライダの自走により任意に開閉させるものである.このテキスタイルを面ファスナで衣服の所望の箇所にとりつけることで衣服を局所的・動的に拡張・変形させることができる.本システムによりパーソナル・スペースを明示化させるような効果が期待できる.