12 1 1 1 OA 通航一覧

著者
林韑 編
出版者
国書刊行会
巻号頁・発行日
vol.第3, 1913
著者
毛利 正守
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-15, 2014-01-01

現在,古事記などの文章は,「変体漢文」であると一般に把握されている。「変体漢文」という呼称は,橋本進吉によって提唱され,漢文を記すことを志向しながらもその用法を誤って「変則な書き方」になったもの,それを「変体漢文」と命名した。一方,橋本は,古事記などの文章については,漢字を用い慣れるに従って日本語をも漢字で書くようになり,その文章は「変体漢文」ではなく「和文」であると把握した。それ以降の研究史を辿ってみると,橋本の道理に適った「変体漢文」という捉え方が正確に継承されず,橋本の主要な発言を見過ごし,また誤解したまま今に至っているというのが現状である。が,その捉え方がすでに長く行われているのだからそれでよしとするのではなく,もう一度,理に適った論に立ち返り,考え直すべきであると筆者は考える。本稿は,研究史の実態を炙り出すところにその主眼をおき,あわせて研究史と関わらせつつ倭(やまと)文体についてとり挙げることにする。
著者
金 銀珠
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.123-137, 2006-04-01

近代文法学における「形容詞」は,江戸時代以来の伝統的な形容詞論をスタートラインにおけば,その規定が最初は名詞修飾機能中心へと移行し,次は叙述機能中心へと移行しながら,成立したものである。このような二度の移行に関わっていたのが西洋語のAdjective解釈である。本稿は,近代文法学における「形容詞」「連体詞」概念がどのように成立したのかを,西洋文法におけるAdjectiveとの関連から考察した。近代文法学の「形容詞」概念がAdjectiveを名詞修飾だけに極度に限定していきながら成立し,その結果として,今日の学校文法における「連体詞」が登場する過程を示した。
著者
安井 寿枝
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.29-44, 2008-04-01

谷崎潤一郎『細雪』の中心人物である蒔岡家四姉妹の使用する、尊敬語について以下のことを論述する。四姉妹が使用する尊敬語には、関西方言であるものと、標準語であるものが存在する。中でも姉妹が最も使用している尊敬語は、はる敬語であり、姉妹によって接続に差があるものが見られた。五段動詞に注目すると、次女の幸子は、aはる型を多く使用し、末の妹である妙子は、やはる型の拗音を多く使用している。また、一段動詞では、姉妹に共通して「出る」「見る」のような語幹部分が一音節のものは、やはる型を使用し、「できる」「見せる」のような語幹部分が二音節のものは、i/eはる型を使用するという使い分けが見られた。その他、関西方言の尊敬語では、船場言葉としての「なさる」が存在している。その使用は船場言葉としては動詞+なさる型であり、標準語としては本動詞「する」の敬意型であった。標準語の尊敬語では、れる/られる型・お〜になる型・御〜型・いらっしゃる型・特定単語型が存在する。特に、れる/られる型では、不特定の人物に対する使用が確認された。このような使用は従来、はる敬語に限って見られる特徴とされている。
著者
松岡 まり江
出版者
早稲田大学演劇博物館
雑誌
演劇映像学
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.235-259, 2013-03-22
著者
簡 月真
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.61-76, 2006-04

本稿では,台湾でリンガフランカとして用いられている日本語を対象に,一人称代名詞の運用の実態およびその変容のメカニズムの究明を試みる。台湾高年層による日本語自然談話に日本語一人称代名詞のほかに〓南(びんなん)語一人称代名詞の使用が観察された。これは,日本語一人称代名詞の形式面と運用面の複雑さを回避するために,形式と運用規則が単純でかつ優勢言語である〓南語一人称代名詞が採用された,いわゆる単純化の結果である。ドメイン間の切換えから,〓南語一人称代名詞は台湾高年層のin-group形式の役割を果たしていることがわかる。ただし,日本語能力の低いインフォーマントの場合,日本語一人称代名詞への切換えはない。ドメインおよびインフォーマントの日本語能力に応じた使用の連続体から,〓南語の一人称代名詞は連体修飾語の場合に現れやすい傾向があること,言語構造面の単純化と連動して言語行動面においても単純化が漸次的に進行しつつあることが指摘できる。独自の体系を持つ台湾日本語は,日本語の変容のあり方を探るための貴重な例となっている。