著者
佐藤 真理子 田村 照子
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.70, no.6, pp.126-135, 2014-06-10 (Released:2014-06-09)

This study aimed to clarify the impact on the body of contemporary styles of wearing traditional Japanese KIMONO, assessing body sway, surface electromyography, salivary amylase activity, and clothing pressure in a survey sample of eight healthy young women. Four wearing patterns were compared: (1) without an OBI (KIMONO sash) (2) with an OBI in position 1 (under the bust) (3) with an OBI in position 2 (at the waist) and (4) with an OBI in position 3 (at the ilium). With each of these patterns, the subjects stood, sat, stood and bent forward, sat and bent forward, and stood on one foot (Japanese classic movement; ISSOKUDACHI). The findings showed that body trunk stability was higher and posture straighter when wearing an OBI than when not. However, with OBI position 2 (not a style actually in use), muscular activity was inhibited during movement and stress levels were high. With OBI position 1, the style actually practiced by contemporary women, muscular activity during movement was aided by the OBI, but clothing pressure impacted the front of the body and stress levels were high. It was demonstrated that OBI position 3, the style in use among men, provides benefits in terms of stabilizing the body trunk, straightening posture, and alleviating muscle load during movement, as well as low stress levels.
著者
有田 博之 山本 真由美 友正 達美 大黒 俊哉
出版者
社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業土木学会論文集 (ISSN:03872335)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.225, pp.381-388, 2003-06-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

今日のわが国における農地政策は, 短期的には農産物の構造的過剰を抱えながらも, 長期的な食料需給の不安定性に対応しなければならないという基本的困難がある.これに対する解決策として, 筆者等は農地をいつでも利用可能な状態で粗放的管理する方法を提案している.日論では農地の利用可能性を耕作放棄田の復田という視点から経済的に評価するため, 放棄年数と復田コストの変化の関係を事例調査に基づいてモデル化した.調査は, 積雪地帯である新潟県東頸城郡大島村で行った, この結果, 数年間放置した後に復田するより, 耕作放棄後初期, すなわち毎年の軽微な作業によって農地を維持管理し続ける方が, 経済的に効果的であることを明らかにすると共に, これに基づく農地資源の保全策を提案した.
著者
中島 定彦 遠座 奈々子
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.163-177, 2017-03-31 (Released:2017-06-07)
参考文献数
193

This article reviews recent literature on basic animal research and theories of reemergence phenomena of formerly established and then extinguished Pavlovian conditioned responses. Four types of response reemergence phenomena are discussed; renewal of responses by changing contexts, spontaneous recovery of responses after the passage of time, reinstatement of responses after re-exposure to the biologically significant stimulus (i.e., unconditioned stimulus, US), and reacquisition of responses by re-pairing of the cue (i.e., conditioned stimulus, CS) and the US. Preventive measures against these reemergence phenomena and their clinical implications for relapse of anxiety symptoms (i.e., return of fear) are also discussed to bridge basic and applied disciplines of psychology.
著者
辻 大介 Tsuji Daisuke ツジ ダイスケ
出版者
大阪大学大学院人間科学研究科 社会学・人間学・人類学研究室
雑誌
年報人間科学 (ISSN:02865149)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.211-224, 2017-03-31

社会学 : 研究ノート本稿では、2007年と2014年に実施したウェブ調査の結果から、「ネット右翼」層の規模と属性・行動・意識等の特徴について報告する。「ネット右翼」とは日本版のオルタナ右翼とも言えるものであり、本研究では、1)中国と韓国への排外的態度、2)保守的・愛国的政治志向の強さ、3)政治や社会問題に関するネット上での意見発信・議論への参加という3点から操作的に定義した。この定義に合致するケースは、2007年調査では全標本中の1.3%、2014年は1.8%であった。これらのあいだに統計学的な有意差はなく、「ネット右翼」層が増えたとは言えない。また調査標本の特性を考慮すると、ネット利用者全般における「ネット右翼」の比率は、実際には1%未満と見積もるのが妥当と思われる。2014年調査データの分析結果によれば、「ネット右翼」層には男性が多く、年齢や学歴には有意な特徴はない。ネットのヘビーユーザであり、ソーシャルメディアのなかではTwitterを活発に利用する。「2ちゃんねる」を含む掲示板全般、「ニコニコ動画」を含む動画サイト全般の利用頻度も高く、右派系のオンラインニュースサイトへの選択的接触傾向をもつ。ネット上で他者とのトラブルを経験した率が高く、オンライン脱抑制の程度もネット中毒の程度も強い。This article reports the results of web-based surveys conducted in 2007 and 2014, in order to investigate the actual conditions of Netto-uyoku, online activists of the Japanese alt-right. In this study Netto-uyoku is operationally defined as those who are: 1) xenophobic toward China and Korea, 2) have a nationalistic political attitude, and 3) post or exchange opinions about political issues via the Net. Respondents who meet this definition were 1.3 percent of total samples in 2007, and 1.8 percent in 2014. Statistically there is no significant difference between these ratios, suggesting that Netto-uyoku has not increased in a recent decade. In addition, taking account of sample selection bias, the actual size of Netto-uyoku is estimated at far less than 1 percent of the Japanese Internet users. Analyses of 2014 survey data showed that over three quarters of Netto-uyoku are males, but there are no significant features in their ages and educational backgrounds. They are heavy users of the internet, and prefer Twitter to other social media such as Facebook or LINE. They use BBS websites such as "2channel", video sharing websites such as "Niconico", and online game sites more frequently than other internet users. Netto-uyoku are more likely to experience online troubles or flaming with others, and it seems partly because of their high degree of online disinhibition and internet addiction.
著者
小沼 明弘 大久保 悟
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.217-226, 2015-11-30 (Released:2017-05-23)
参考文献数
28

多くの植物は繁殖のための花粉の授受粉を動物による送粉に依存しており、農作物もまた例外では無い。近年、世界的なハナバチ類の減少による農業生産への悪影響が懸念される中で、送粉サービスが農業に対して提供する経済的価値への関心が高まっている。しかしながら、我が国においては、これまでセイヨウミツバチやマルハナバチのような飼養された送粉昆虫による送粉サービスの経済性評価のみで、野生送粉者による貢献は評価されていなかった。そこで我々は、飼養された送粉者と野生送粉者の両方を含む、我が国の農業分野に対する送粉サービス全体の推計を試みた。その結果、2013年時点の日本における送粉サービスの総額は約4700億円であり、これは日本の耕種農業産出額の8.3%に相当する。その内訳は、約1000億円がセイヨウミツバチ、53億円がマルハナバチそして3300億円の送粉サービスが野生送粉者によって提供されていた。送粉サービスへの依存度は作目毎に異なっているが、サービスへの依存度が高く産出額が大きいのはバラ科の果実、ウリ科およびナス科の果菜類であった。また、送粉サービスに対する依存度には地域的な偏りがあり、自治体毎に大きく異なっていた。最も依存度が高い県は耕種農業産出額の27%を送粉サービスに依存していた。我が国の農業全体を長期的に見た場合、送粉サービスへの依存度は増加する傾向にあり、その理由としてコメの生産額の減少と他作目への生産のシフトが考えられた。現在のような社会経済的な状況が継続した場合、我が国農業の送粉サービスへの依存度が今後も漸増することが示唆される。

35 29 29 15 OA 三四郎

著者
夏目漱石 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1909
著者
濱野 千尋
出版者
日本文化人類学会
巻号頁・発行日
pp.C10, 2017 (Released:2017-05-26)

本発表の目的は、ドイツにおける動物性愛者の任意団体「ZETA(Zoophiles Engagement fur Toleranz und Aufklarung/ Zoophiles Commitment for Tolerance and Awareness/ 寛容と啓発を促す動物性愛者委員会)」に属するメンバー8名へのインタビュー・データをもとに、人間と動物の関係、特に獣姦(Bestiality)および動物性愛(Zoophilia, Zoosexuality)を考察することである。

63 27 0 0 OA 漱石全集

著者
夏目漱石 著
出版者
漱石全集刊行会
巻号頁・発行日
vol.第10巻 (初期の文章及詩歌俳句), 1918
著者
濱野 千尋
出版者
日本文化人類学会
巻号頁・発行日
pp.161, 2018 (Released:2018-05-22)

2016年の秋および2017年の夏の合計4か月間、ドイツにて行った動物性愛者たちへの調査から得られた事例を通して、人間と動物の恋愛とセックス、および動物性愛というセクシュアリティの文化的広がりについて考察する。異種間恋愛に見られる人間と動物の関係をダナ・ハラウェイの伴侶種概念を基盤に説明するとともに、動物性愛者のセックスが抑圧から脱する可能性を検討したい。

30 26 0 0 OA 便移植

著者
山田 知輝
出版者
一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
雑誌
日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.811-816, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
39

再発性のClostridium difficile感染症(CDI)に対して便移植を行い90%近い治癒率が得られたとする RCTが発表され、注目を集めている。CDIは抗菌薬使用により、正常腸内細菌叢が減少し、菌交代現象が起こり増殖したClostridium difficileが毒素を産生し腸炎を発症させる病態であり、便移植は健常者(ドナー)から得た腸内細菌叢を含む糞便を投与することで、健康状態の腸内細菌叢を復元し、これを治癒しようとするものである。現在ではその適応や、ドナーの選定・スクリーニング、便の準備や投与方法につき、定まりつつあるがまだ十分ではなく、かつ安全性の問題もある。アメリカでは「便の銀行」が設立され、事前にスクリーニングされた、若くて健康なドナーの便の貯蓄により、より多くのケースで便移植ができるような体制ができつつある。今後は安全性を高めた製剤も開発中であり、日本も含め、その使用がさらに広がる可能性がある。