著者
阪 彩香 桑原 輝隆
出版者
科学技術政策研究所 科学技術基盤調査研究室
巻号頁・発行日
2012-08-03 (Released:2012-08-08)

研究活動の成果物の一つである科学論文(以下、論文)に着目し、各大学の“個性(強み)”を把握するために、研究に着目した大学のベンチマーキングを行った。本調査は、大きく2つのパートから構成されている。まず個別大学の分野特徴や時系列での変化を把握するために、大学ごとの研究状況シートを作成し、比較を行った。次に、個別大学の相対的な状況を把握するため、日本の大学の中でのポジショニングの分析および各種研究分野における世界と競える強みを持つ大学の分析を行った。
著者
宇根 桐子 今井 昭一
出版者
沖縄県立看護大学
雑誌
沖縄県立看護大学紀要 (ISSN:13455133)
巻号頁・発行日
no.2, pp.51-57, 2001-02
被引用文献数
2 1

本学1年次の学生85名(男13人、女72人)に、二重盲検法の原理に従って、市販のカフェイン抜きコーヒー(ネスカフェーゴールドブレンド、ネッスル社) とカフェイン入りコーヒー(上のカフェイン抜きコーヒーに日本薬局方カフェイン[丸石製薬] 250mgを添加) を飲用させ、単純な計算能力および心拍数に対するカフェインの作用について検討した。計算能力の検査には、内田・クレッペリンの標準型検査用紙(日本精神技術研究所) を用い、練習効果による計算能力の向上がほぼ一段落する時点でコーヒーを飲用させた。その結果、飲用後20分近く経過した時点で、カフェイン入りコーヒー飲用群の計算能力はカフェイン抜きコーヒー飲用群のそれを有意に上回ること、この効果は、飲用後1時間を過ぎ、カフェイン抜きコーヒー飲用群では計算能力の低下が見られるようになった時点でもなお認められ、カフェインには単純な計算能力を向上させる作用と疲労による能力の低下を抑制する作用とがあることがわかった。計算の誤謬率もカフェイン入り飲用群でやや低い傾向を示したが、有意の差ではなかった。心拍数はカフェイン入りコーヒー飲用群で低下した。
著者
松本 秀雄
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.95, no.3, pp.291-304, 1987 (Released:2008-02-26)
参考文献数
27
被引用文献数
8 10

人種によって遺伝子型を異にするというユニークで,安定した在り方を示す免疫グロブリン(抗体) IgG の遺伝標識は,血液型の中で唯一の特異な特徴をもつものである。北方型蒙古系民族の標識遺伝子である Gmab3st 遺伝子の発見(1966年)を緒にして,日本人を中心に朝鮮民族,中国人(漢民族および少数民族),東南アジア,東アジア,南北アメリカに分散する蒙古系民族について,20年間にわたって検索した成績を集約した。蒙古系民族は基本的には4つの遺伝子,Gmag,Gmaxg,Gmab3st,および Gmafb1b3 をもつことで特徴づけられる。これらの遺伝子の分布と流れに基づいて,蒙古系民族は大きくは,北方型と南方型の2つのグループに分かれる。南方型蒙古系民族の標識遺伝子 Gmafb1b3 のルーツは中国南部の雲南,広西地域に,日本民族を含む北方型蒙古系民族の標識遺伝子 Gmab3st のルーツはシベリアのバイカル湖畔にあることを明らかにした。

16 0 0 0 OA 国史大系

著者
経済雑誌社 編
出版者
経済雑誌社
巻号頁・発行日
vol.第10巻 公卿補任中編, 1901
著者
深井 喜代子 小野 和美 田中 美穂 關戸 啓子 新見 明子
出版者
川崎医療福祉大学
雑誌
川崎医療福祉学会誌 (ISSN:09174605)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.125-135, 1997
被引用文献数
1

人間関係が異なる複数の被験者群において, 痛みの感受性と痛み反応, 看護ケアの鎮痛効果がどのように相違するか, またそれらに性差はあるかを検討した.被験者は健康な大学生30名で, 実験者と既知の女子7名(A群), 初対面の女子12名(B群), 初対面の男子11名(C群)の3群に分けられた.ベッド臥床した被験者の心電図, 局所発汗量, 皮膚温を測定した.看護ケアとして温罨法, 冷罨法, マッサージ, 音楽療法, 会話に代わるものとしての連想ゲームの5種類を用いた.VisualAnalogueScale(VAS)で70〜80の強さに電圧を固定して電気刺激を行い, 実験中痛みをVASで表現させた.その結果, 耐痛閾値は男性が高いこと, 痛みの評価と痛み反応は男性においてのみ皮下脂肪率と関係すること, さらに, ケア毎の鎮痛効果は対人関係の程度に関係することが明らかになった.
著者
游,雪秋
出版者
和漢医薬学会
雑誌
和漢医薬学雑誌
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, 2000-08-10

Scutellaria barbata (SB) and Oldenlandia diffusa (OD) have been used in traditional Chinese medicine for treating stomach, colon, liver, breast and ovarian tumors. The anti-tumorgenic effect of SB and OD was examined by various in vitro and in vivo experimental studies. The combined effect of SB and OD was examined to determine the anti-tumorgenic effect. Experiments were done in vitro on human breast tumor cell line MCF-7 and human prostatic adenocarcinoma cell line DU-145. For in vivo experiments, C3H-AVy mice with spontaneous hepatocellular carcinoma were used. It was found that the herbal extracts inhibited the proliferation of both cell lines as measured by the MTT assay. In the proliferation of both cell lines after addition of various concentrations of herbal extracts in the medium, 50 % inhibition was obtained with 1 % herbal extracts, and 80 % inhibition by 10 % herbal extracts. C3H-AVy mice survived 1.4 times longer than controls after oral administration of the herbal extracts. In conclusion, the present in vivo and in vitro results strongly suggest that the conbination of OD and SB suppresses tumor growth in vitro and increases survival rate in mice with spontenous hepatocellular carcinoma.
著者
西岡 恵里 船坂 陽子 長濱 通子 鷲尾 文郎 加藤 晋造 松村 武男 市橋 正光
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.97-102, 1996
被引用文献数
3

21歳, 男性。平成6年9月ピラニアの捕獲目的でブラジルのマナオスからネグロ川ぞい約300km上流のジャングルに旅行中, 右上腕を蚊のような虫に刺された。虫刺部に発赤・腫脹を生じるようになり, 中心部には硬結がみられ血漿浸出液を伴う瘻孔を認めるようになった。帰国後近医を受診, 抗生物質を処方され腫脹はやや軽減したが, 右腋窩のリンパ節の腫脹がみられるようになり, その後瘻孔より白色半透明の虫体が出入りするのが目撃された。虫体は捕えようとすると素早く瘻孔にもぐりこんだ。患者自身がでてきた虫体の採取に成功し, 虫体を持参のうえ神戸大学付属病院皮膚科を受診。体長約1.5cm, 白色のとっくり状の虫体で同大医動物学教室にて, ヒトヒフバエのニ齢幼虫と同定された。ヒトヒフバエ(症)は日本土着のものではなく, 中南米からの輸入例が全部を占めている。1974年のKageiらの報告以来本邦12例目となる。最近5∿10年間に報告が集中しており, ヒトヒフバエが生息する中南米の熱帯雨林地域への旅行者の激増に伴う発生増加が要因と考えられる。
著者
章 開訓 大野 勝利 葛野 浩
出版者
岐阜大学
雑誌
岐阜大学農学部研究報告 (ISSN:00724513)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.191-198, 1987-12-25

本研究は亀の胸部甲殻に設けた穿孔穴を通して体表からの導出に準ずる心電図を誘導記録した。本研究に用いた誘導法は操作が比較的簡便で,かつ記録した心電図の各波形は明晰であった。そこで得られた資料をもとに心電図学的に各種の分析を試みた結果,爬虫類亀科の心臓の系統発生学的な研究および生理学的な検討に有意義な方法であると結論した。1.調律:正常な亀は洞性調律である。洞性P波はI,IIおよびaVFは陽性を示し,aVRおよびaVLは陰性を示した。また調律の不整も認められた。2.心拍数:安静状態下の心拍数は30回/分以下で平均値は26.6±2.7回/分である。3.電気軸:P波の平均電気軸は70°〜90°にあって,その平均値は76.87°±7.9°である。QRS波の平均電気軸は72°〜144°にあって,その平均値は93.87°±24.1°である。したがって両者の電気軸の方向は概ね同一で,すべて左下方を指向している。4.P波の持続時間と振幅:持続時間の平均値は102±6.8 msecである。振幅はII,III,aVFおよびaVRが大であった。5.P-R間隔:その平均値は649±6.7msecである。6. QRS波の形態:IはRを主とし,II,IIIおよびaVFはRSを主とし,aVRおよびaVLはQRを主とする。QRS波の持続時間の平均値は203±48.2msecである。振幅は陽性がII,IIIおよびaVFが大であり,陰性はaVRおよびaVLが大であった。7.S-T間隔:その平均値は810±36.6msecである。8.T波の持続時間と振幅:持続時間の平均値は218±20.4msecである。形態は大部分が二相性を示し,振幅はII,III,aVFおよびaVRが大であった。9.Q-T間隔:その平均値は1226±10.6msecである。
著者
広瀬 侑 佐藤 桃子 池内 昌彦
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科学 (ISSN:18807593)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.9-15, 2009-03-31

シアノバクテリアは真正細菌の中で独自の分類群を構成するが,非常に多様で生態学的にも重要である.またモデル生物として研究が非常に進んでいる.研究材料として代表的な種を選んでその特徴を概説する.