著者
吉崎 昌一
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.343-346, 1997-12-31 (Released:2009-08-21)
参考文献数
10
被引用文献数
3 8 2

これまで,縄文文化には複数の栽培植物アサ(アサ属Cannabis),エゴマ(シソ属Perilla),ヒョウタン(ユウガオ属Lagenaria),クリ(クリ属Castanea)等の存在が知られていた.しかし,最近のフローテーション法の採用による炭化植物種子の検出,イネのプラントオパール抽出などの考古植物学的な調査によれば,縄文文化前期~中期前半の層準から東日本ではヒエ(Echinochloa)が,西日本にはイネ(Oryza sativa)が検出される.これらイネ科Gramineae植物の出現や文化的な背景には,まだ不明の部分が多い.しかし,ヒエは東日本で栽培化が行われた可能性があり,イネはアジア大陸とその周辺部から渡来してきた,と考えられる.また,縄文時代に存在するといわれていたリョクトウVigna radiata (L.) Wilczekについては,まだ確実な資料は発見されていない.
著者
大野 曜吉 山本 伊佐夫
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
Journal of Nippon Medical School (ISSN:13454676)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.320-321, 2002 (Released:2002-08-23)
参考文献数
1
著者
勝又 義直
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.1-11, 2006-02-28 (Released:2010-09-09)
著者
川西 昌弘 松岡 重信 平岡 政隆 小根森 元 高田 耕基 渡辺 哲彦 大谷 博正 梶山 梧朗
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.28-37, 1988-01-30 (Released:2009-11-24)
参考文献数
17
被引用文献数
1 2

今回, 我々は新しいデータ解析の方法論としての exploratory data analysis の基礎的手法である boxplot および robust regression analysis を応用して正常集団におけるアポ蛋白値に及ぼす種々の背景要因の影響について検討し, 以下の結論を得た.1) Apo-AII (40歳代), Apo-B (30歳代), Apo-CII (40歳代), Apo-CIII (30歳代, 40歳代) は男性が女性より有意な高値を示した.2) 男性ではApo-B, Apo-CII, Apo-CIIIに, 女性ではApo-AII, Apo-B, Apo-Eに加齢の影響を認めた.3) 男性においてApo-AI, Apo-AII, Apo-CIIIの値は飲酒者が非飲酒者より高値であった.4) 男性においてApo-CII, Apo-CIIIの値は喫煙者が非喫煙者より高値であった.5) 肥満傾向の者は男性においてはApo-AII, Apo-B, Apo-CII, Apo-CIII, Apo-Eが, 女性においてはApo-AIIが高値であった.このように, 新しい統計的方法論を用いることにより比較的小数のデータでも多数例を用いた解析に劣らない有効な結果を得ることが可能であった.
著者
宇野 芳史
出版者
日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.16, no.5, pp.576-581, 2006-12-25 (Released:2011-06-17)
参考文献数
22
被引用文献数
1 3

We investigated the efficacy of ear lavage with 3% hydrogen peroxide solution (oxydol) for refractory aural discharge related to acute otitis media after tympanotomy or insertion of a ventilation tube. The subjects were 30 patients (55 ears) in whom aural discharge persisted for 10 days or more despite therapy with antimicrobial agents. Ear lavage with 3% hydrogen peroxide solution (oxydol) was initiated, and antimicrobial agents was discontinued. Ear lavage was continued every day until aural discharge disappeared. In all patients, the disappearance of aural discharge was achieved within 14 days (mean: 6.9 days). In particular, the interval until its disappearance was 12 to 14 days (mean: 13.0 days) in patients with acute MRSA-related otitis media, but 7 days or less (mean: 6.0 days) in those in whom other types of bacteria were detected.Thus, ear lavage with 3% hydrogen peroxide solution (oxydol) was effective for refractory aural discharge related to acute otitis media after tympanotomy or insertion of a ventilation tube for the following reasons:1) 3% hydrogen peroxide solution (oxydol) destroyed the lipid membrane, DNA, and cellular contents of bacteria by generating hydroxy radicals.2) Oxygenation of the middle ear cavity via decomposition of 3% hydrogen peroxide solution (oxydol) normalized middle ear mucosa.3) Oxygenation of the middle ear cavity influenced the morphology of the pneumococcal membrane; it changed from the strongly pathogenic opaque type to the less pathogenic transparent type.
著者
城本 修 池永 絵里
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.254-262, 2011 (Released:2011-10-06)
参考文献数
33
被引用文献数
5 8 10

【目的】音声障害の自覚的評価尺度VHI 日本語改訂版とV-RQOLの日本語版を作成し, その信頼性と妥当性を検討した. 【方法】協力者:中・四国と関西に位置する4病院の耳鼻咽喉科外来を受診した患者のうち同意の得られた音声障害患者112名と音声障害のないそれ以外の耳鼻咽喉科通院患者163名. 信頼性の検討: Cronbachのα係数を求め, 内的整合性を検討. 妥当性の検討:音声障害群と非音声障害群との得点差から基準連関的妥当性を検討. 【結果と考察】VHIとV-RQOL日本語改定版のCronbachのα係数は, それぞれ0.97, 0.93となり, 高い内的整合性が示された. また, 各尺度について音声障害群と非音声障害群の間に, 有意な差 (p<.001) が認められ, 基準連関的妥当性が示された. 【結論】VHI日本語改訂版とV-RQOL日本語版は, ともに諸外国語翻訳版の先行研究と同等かそれ以上の信頼性・妥当性を示し, 有用性が認められた.
著者
浜田 重遠 小林 和義
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
栄養と食糧 (ISSN:18838863)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.64-66, 1968 (Released:2009-11-16)
参考文献数
20

非芳香族化合物であるところのMethane arsonic acidのdisodium塩を飼料に混じてブロイラー雄雛の初生から微量を給与し, その量を順増して8週令まで飼育した。1) Methane arsonic acid disodium塩をAs2O5として5ppm添加の飼料を初生雛から与え数週間後に10ppm, 15ppmと順増して8週令まで飼育すると, 雛の発育がよく, その増体量は無添加の対照雛に比して有意的に大であった。2) このヒ素剤をAs2O5として10ppm添加して初生雛から与えたところ初期の成長に効果がなかった。3) このヒ素剤を添加して飼育した場合, 飼料要求率を改善した。4) このヒ素剤を添加して飼育した場合, 増体量の標準偏差が小さく, すなわちブロイラー雛のつぶがそろった。
著者
一瀬 雅夫
出版者
一般社団法人 日本消化器がん検診学会
雑誌
日本消化器がん検診学会雑誌 (ISSN:18807666)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.355-364, 2008 (Released:2012-03-25)
参考文献数
31
被引用文献数
1 6

胃癌死亡率減少に大きく貢献した胃がん検診も, 現在, 受診率および検診効率の向上に向けての取り組みが強く求められている。その様な状況下, 血清ペプシノゲン(PG)検査により, 萎縮性胃炎の進展した個人を把握, 内視鏡検査の対象とする検診方法, PG法が高い評価を受け, 血清PGにより同定される萎縮性胃炎を標的とした胃癌ハイリスク集約が有効である事が明らかとなって来た。加えて, 萎縮性胃炎の最重要因子としてのH.pyloriの役割が明確になって以来, 胃癌発生の自然史をH.pylori感染を主軸に理解する事が可能となり, PGやH.pylori抗体などの血液検査データを基に, 各個人におけるH.pylori感染のstageの把握, 胃癌発生リスクの具体的な予測が可能になって来た。これらの情報は, さらに, 胃癌発生予防, 検診効率化を目標とした有効な胃癌対策を立案可能なものとしつつある。本稿ではその現況について概説する。
著者
石渡 正倫 宮川 道夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式
巻号頁・発行日
vol.95, no.436, pp.73-78, 1995-12-15

手書き筆跡をもとにした個人同定を目的として,筆跡の個人特徴量にハフ変換により得られる3種のパラメータ,すなわちρ,θ,および累積値を用いる筆者同一性判定法を提案する。筆跡データとして,1)本人による筆跡,2)筆跡提示なし代筆,3)筆跡提示あり代筆の3種類を使用,個人特徴量の抽出と筆者同一性判定実験を行った。個人特徴量から筆者判定のための基準特徴量を抽出して判定閾値を設定,5回実施した実験の平均判定率は,1)に対して93.2%という結果が得られた。また3)での平均判定率は76.4%であり,2)に関しては,何れの実験でも100%という良好な判定結果が得られ,個人特徴量,およびこれを利用した筆者同一性の判定法としての有効性が確認できた。
著者
宇佐美 雄司 大須賀 伸二
出版者
名古屋大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1994

唾液によるHIV(ヒト免疫不全ウイルス)感染の可能性を検証するために、HIV感染者から全唾液を採取しnested-PCR法を用いてHIVプロウイルスDNAの検出を試みた。さらに、感染性については唾液中の血液の混入を調べる必要があるが、ヘモグロビン量を測定することにより評価した。その結果、CD4陽性リンパ球数が500/μ1以上の患者の唾液中からはHIVプロウイルスDNAは検出されなかったが、ほぼAIDS関連症候群にあたるCD4陽性リンパ球数500/μ1未満の200/μ1以上の患者の唾液の57%からHIVプロウイルスDNAが検出された。AIDS状態に相当するCD4陽性リンパ球数が200/μ1未満の患者から採取した唾液からは検出されなかった。HIVプロウイルスDNAが検出された全ての唾液検体からは血液の混入が認められた。すなわち、唾液自体による感染の危険性は否定的であるが、微量ながら血液が混入している唾液によってはHIV感染が成立する可能性があると考えられた。さらに今後はより厳密な検討のために唾液中のHIV-RNAの測定も必要と思われた。次に唾液によるHIV感染の危険性を修飾すると考えられる口腔内の局所免疫能を検討するために、唾液中の分泌型免疫グロブリンAを定量した。その結果、CD4陽性リンパ球数が200/μ1未満の患者において唾液中の分泌型免疫グロブリンAの濃度が低下する傾向が示された。これはHIV関連口腔症状の発現にも関与していると推測された。
著者
伊藤 正夫 宇佐美 雄司 金田 敏郎
出版者
一般社団法人 日本有病者歯科医療学会
雑誌
有病者歯科医療 (ISSN:09188150)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.1-9, 1993-10-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
25
被引用文献数
1

名古屋大学医学部附属病院歯科口腔外科では, 総計44例のHIV感染者歯科診療を行っており, その内3例の診療概要を報告し, 本症歯科診療の問題点を検討した。症例1症例はCD4 95/μl, CD4/CD8比0.28と血液学的データは悪く, 臨床的にはAIDS関連症候群 (ARC) であった。特に前駆症状を示すことなく, 右口狭咽頭炎と口腔底峰窩織炎を発症した。イミペネム1000mg/日とガンシクロビル10mg/日連日点滴投与によって7日後消炎した。右下顎智歯周囲炎に継発する日和見感染と思われた。HIV感染者においては口腔衛生状態の保持に特段の配慮が必要である。症例2症例は, 重症型血友病A, CD4: 343/μl, CD4/CD8比: 0.26で無症候性キャリアー (AC) であった。3本の智歯同時抜去を施行したが, 一過性に抗第VIII因子抗体が出現し, 止血に難渋した。症例は長期間出血が持続し, 病棟汚染が危惧されたため, 感染防御に特別の対策を考慮する必要に迫られ, 個室収容を余儀なくされた。症例3症例は, 口腔内に多くの歯科的問題を抱えしばしば感染を生じても, 定期通院ができない感染者であった。通院を阻む最大の理由は, 居住地が遠隔地であることであった。失職の恐れや差別に対する恐怖から, HIV感染の事実を職場に告げることはできず, 歯で入院したり, 遠くの病院へ通うのはおかしいと叱責されることも少なからずあるとのことであった。社会支援の一環として, 歯科医療供給体制の整備は急務である。
著者
中浜 優
出版者
新領域創成科学研究科 環境学研究系 環境システム学専攻
巻号頁・発行日
2007-03-22

報告番号: ; 学位授与年月日: 2007-03-22; 学位の種別: 修士; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第2211号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科環境システム学専攻