著者
野口 陽来 松井 利樹 小森 成貴 橋本 隼一 橋本 剛
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2007論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.144-147, 2007-11-09

朝日放送が製作しているテレビ番組に「パネルクイズアタック 25」がある. このクイズ番組を見る限り, 解答者は全ての問題に答えようとしている. しかし, クイズの正解が分かっても解答しないほうが有利な状況があるのではないかと考えた. そこで局面の解析にはモンテカルロ法を用いて, どのパネルを獲得しても不利になる状況を見つけ出した. その結果不利になる局面は全体の 3.8%に上ることが判明した. また不利になる局面の代表的な例として一問目を答えた人は二問目を答えない方がよいという例を示した.さらにパネルを選択する戦略についても提案した.
著者
高橋 学 後藤 文 松本 尚也 菅 重典 秋丸 理世 増田 卓之 石部 頼子 山田 裕彦 細谷 優子 櫻庭 実
出版者
一般社団法人 日本外傷学会
雑誌
日本外傷学会雑誌 (ISSN:13406264)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.442-447, 2017-10-20 (Released:2017-10-20)
参考文献数
11

岩手県高度救命救急センターに搬送されたクマ外傷50症例について後方視的に検討した. 平均年齢は69±5歳で男性に多く, 時期としては5月, 時間帯としてはam8 : 00〜11 : 59に, 山菜取りの際中に被害に遭う例が目立っていた. 90%の症例が顔面に被害を受け, 明らかな左右差は認めず, 68%の症例で全身麻酔による緊急手術が必要であった. 全例に予防的抗菌薬が投与され, 創部感染発生率は20%であった. 検出された菌は通性嫌気性菌が7菌種, 嫌気性菌が4菌種の計11菌種で, βラクタマーゼ阻害薬はその内9菌種に感受性を認めていた. 抗菌薬別の創部感染発生率は非βラクタマーゼ阻害薬投与例が28.5%, βラクタマーゼ阻害薬投与例が9.1%でありβラクタマーゼ阻害薬投与例で低い傾向にあった.
著者
宮本 顕二 宮本 礼子
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.186-190, 2014-08-31 (Released:2015-11-13)
参考文献数
8

わが国では終末期の高齢者が経口摂取困難になると経管栄養(胃ろう)や経静脈栄養などの人工栄養を行うことが多い.しかし,筆者らが現地調査したスウェーデン,オランダ,オーストラリアではそれらは行われず,アメリカ,オーストリア,スペインでもまれにしか行われていなかった.これらの国では高齢者が終末期に食べられなくなることは自然なことであり,人工栄養で延命を図ることは倫理的でないと考えられている.
著者
岩﨑 淳也 畦上 恭彦
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1-10, 2021-05-31 (Released:2021-11-30)
参考文献数
22

過剰模倣(overimitation)とは、「ある行為を示された際、最終的な目的を達成するために必要な動作だけでなく、不必要な動作も模倣すること」と定義される。本研究では、動作模倣課題を自閉症スペクトラム障害(ASD)児および定型発達(TD)児に行い、両群に差があるかを検討した。また過剰模倣と適応行動との関連について調べるため、S-M社会生活能力検査を実施した。対象は6~9歳のASD児20名、対照群はTD児15名であった。通常の動作の模倣成績においては両群の模倣生起数に有意差は認められなかったが、過剰模倣ではASDの模倣生起数がTD群に比し有意に少なかった。また過剰模倣生起数と適応行動との間に有意な相関を認めた。ASD児の過剰模倣の低さは、他者との共感性の低さといった社会的動機付けの弱さと関連している可能性が示された。また過剰模倣の低下は、所属集団における適切な振る舞い方の習得を困難にし、ASD児の社会適応の阻害要因となる可能性が示された。
著者
尾身 茂
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.439-445, 2009 (Released:2014-06-13)
参考文献数
4
被引用文献数
3
著者
内山田 康 O'DAY ROBIN O'DAY Robin
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2014-04-25

From April 2016 to August 2016, Dr. O'Day did 4 months of ethnographic fieldwork and continued working with NG0s, Fukushima evacuees and activists working on the related issues. He worked with a group mothers who have evacuated from Fukushima to Tokyo with their children, a group of mothers who remained in Fukushima after the nuclear accident, a group of volunteers that identify themselves as “supporters” of those evacuees, a peace movement of women called “Mothers Against War”, and another student peace and pro-democracy movement called Student Emergency Action for Liberal Democracy (SEALDs). In addition, Dr. O'Day also engaged in participant observation research at political demonstrations, community events, and by volunteering in some disaster reconstruction projects.
著者
塚谷 才明 小林 沙織 平岡 恵子 田中 妙子 金原 寛子 南田 菜穂 山本 美穂 酒井 尚美
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.99-105, 2017-08-31 (Released:2020-04-19)
参考文献数
8
被引用文献数
2

【目的】嚥下障害の合併症の一つに窒息があるが,これまで院内発生例に関する報告は少ない.急性期病院における窒息事例を解析検討することで,今後のリスク管理に生かせる因子を明らかにする.【対象と方法】20xx 年4 月から3 年間,当院の入院患者で医療安全部にレベル3b 以上の窒息事例として報告があった例を診療録,看護記録より後方視的に検討した.対照群は同期間の入院患者で平均年齢,入院科を窒息群と合致させ,他は無作為に抽出した130 名とした.【結果】窒息事例は5 例,入院科は整形外科2 例,内科3 例であった.年齢分布は68 歳から94 歳,平均83.4 歳であった.窒息は既往症に嚥下機能低下をきたす可能性のある疾患を有し(5 例中4 例),入院前の食事摂取が自立していた患者(全例)で起こっていた.ADL(歩行,排泄,日常生活の自立度)は自立と介助の境界レベルの患者が多かった.窒息イベントは入院早期に起こり(入院後平均9.2 日),発生時の食事形態は常食もしくは軟菜であり,嚥下調整食で窒息した例はなかった.窒息群では5例中4例(80%)で利尿薬の内服があり,対照群での内服割合130 例中31 例(23.8%)より有意に高かった.この期間の65 歳以上に限定した入院患者数は11,381 名で,65 歳以上の入院患者が院内で窒息を起こす確率は0.04%,おおよそ2,500 人に1 人の割合であった.【結論】院内発生の窒息事例は経口摂取自立者で,既往に嚥下障害リスクを有し,常食もしくはそれに近い食形態の物を食べている,入院早期の高齢者患者に起こりやすい.
著者
鈴木 一隆 豊田 晴義
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.1774-1778, 2007-12-01 (Released:2010-01-29)
参考文献数
15
被引用文献数
1 3

High-speed,minute eye movements such as ocular microtremors(OMTs),flicks and saccades contain important information about the health of the subject.Since OMTs have a frequency as high as 100 Hz and minute angular displacement as low as 0.01 degree,measuring the speed and position of OMTs with adequate accuracy under non-contact conditions in the long-term is difficult.To measure a living sample stably and reliably,we have developed a novel system for measuring eye movement by combining an intelligent vision system and the corneal reflex method.The intelligent vision system has both high-speed and real-time parallel image processing capabilities,which measure to a high level of precision at 1 KHz.We have carried out basic experiments usinga simulated eye in conjunction with experiments on OMTs and saccade measurements.The results of these experiments confirmed that such a system is sufficiently accurate.
著者
金澤 寛之 小倉 靖弘 小川 晃平 上本 伸二
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.6, pp.277-283, 2011-06-15 (Released:2011-08-19)
参考文献数
17

熱射病に起因した急性肝不全に対して生体肝移植を施行した症例と人工肝補助療法を施行した症例をそれぞれ経験した。症例1は16歳の男性で運動中に卒倒した。前医入院後,一時的に意識状態が改善したが再び昏睡状態となり第4病日に急性肝不全の診断で人工肝補助療法を開始し同日,生体肝移植を施行した。術後2日目に意識状態の改善を得た。症例2は15歳の男性で運動中に卒倒し,その後熱射病による急性肝不全の診断で人工肝補助療法を開始した。昏睡状態が遷延したが第14病日に意識状態の改善を得た。両者とも神経学的後遺症なく軽快退院することができた。熱射病による急性肝不全は,播種性血管内凝固症候群や熱射病による脳症の合併により肝移植適応を含めた肝不全の評価が困難となる。本病態に対しては人工肝補助療法を行うことで肝性脳症による不可逆的脳障害の回避や肝性昏睡からの覚醒効果に期待し,その間に致死的合併症を制御しながら肝再生あるいは肝移植につなげていく治療戦略が妥当であると考えられる。
著者
園田 翔
出版者
早稲田大学
巻号頁・発行日
pp.11-214, 2016

早大学位記番号:新7508